:我が生命線その1――何を集結させ、何を分散させるか
- 上記5つの要素はいわばミクロの視点。
- これらはそれぞれ極めて大切な要素なのだが、
- 「全体的なバランス」という大局的見地、すなわちマクロの視点を忘れてしまうと、
- 偏りの著しいラインアップになってしまう。
- 上で述べた①価格、②血統、③厩舎、④馬主、⑤生産牧場の5つの要素なんて、
- 良いに越したことないに決まっている。
- また、情報も10年前と比較にならないほど精度が上がってきている。
- そういう意味で、以下に述べる視点が他のメンバーと差別化できると僕が考える“唯一の方法”であるし、
- 僕にとっての“生命線”であるといって差し支えない。
関東馬と関西馬
- 例えば、関東馬と関西馬の割合。
- 今年は桜花賞(アユサン)、
- 皐月賞(ロゴタイプ)、
- 天皇賞春(フェノーメノ)、
- NHKマイルC(マイネルホウオウ)と関東馬がめちゃくちゃ気張って、
- 長く続いている「西高東低」に待ったをかけた感がある。
- もしかしたら、いよいよポリトラックの効果が出始めたんじゃないかとも勘ぐってしまうが、
- 純粋に勝ち星という観点で見れば、
- 先週までの段階で、
- 1位=角居勝彦(関西)、
- 2位=池江泰寿(関西)、
- 3位=矢作芳人(関西)、
- 4位=藤原英昭(関西)、
- 5位=堀宣行(関東)と10傑の中に関東のトレーナーは堀、国枝栄、田村康仁の3人だ。
- 昨年はトップ10に2人、すなわち、藤澤和雄(3位)、堀(8位)だけ。
- ビックレースはインパクトは大きいが、「西高東低」はいまだ健在!!
- POGはまず勝ち上がってくれなければどうしようもないゲーム。
- 大レースにも勝ちつつ、勝ち星も伸ばしている厩舎はごく限られる。
- したがって、チョイスする馬は関西馬に集結させたほうがベター。
- 僕は12頭のうち、2〜4頭を関東馬、
- 残りを関西馬としている――どんなに関東所属馬に気になる馬がいても、である。
- 「ポリシーがない」と批判されるかもしれないが、
- 成績を考慮すればそれぐらいの制約を自分に課さないと大敗する可能性がある。
- このバランス感覚はチョ〜重要。
マクロ的調教師&馬主論
- さっき僕は「大レースに勝ちつつ、勝ち星も伸ばしている厩舎はごく限られる」と記した。
- これは確かな事実なのだけれども、
- だからと言ってひとつの厩舎に指名馬を集結させることはリスクが高く、
- できるだけ分散させたほうがいいというのが僕の考え方だ。
- ランキング上位の調教師は例年、安定した成績を残しているが、
- ある1年だけ極端に落ち込むこともしばしばあるし、
- 落ち込んだきり二度と浮上してこない調教師も稀にいる。
- 厩舎経営の浮き沈みの激しさを物語る事象。
- 毎年、超良血馬が入厩する角居勝彦を例にとってみよう。
- 昨年度はロジユニヴァース(ダービー)の弟トーセンパワフルを筆頭に、
- キャプテントゥーレ(皐月賞)の弟リジェネレーション、
- ヴィクトワールピサ(ドバイWC、有馬記念他)の妹アスタラビクトリア、
- ウォータクティクス(アンタレスS)の弟ハッピーモーメント、
- ディアデラノビア(フローラS、オークス3着)の妹バリローチェ、
- 更にはそのディアデラノビア(既出)の仔ディアデラマドレなど、
- どれもクラシックに乗ってきそうな血統的背景を持った馬だらけだったが、
- 結局、実際に牡馬クラシックに出走できたのは、
- シーザリオ(日米オークス)の仔エピファネイア(ラジオNIKKEI杯、皐月賞2着)だけだった。
- 「だけだった」と言ったが、
- 1頭出走させるだけでも難関中の難関なのは説明を必要としない。
- つまり、どんなに有力な厩舎でも、クラシックに参戦できるのは1頭がせいぜいで、
- ましてや勝ち負けまで期待できる馬などそうそう出てこない。
- 関東馬と関西馬は敢えて偏りを持たせるのだが、
- 他方、12頭の厩舎は極力分散させたほうが「吉」、と僕は考えている。
- 馬主についても同じ。
- 毎年当然ばらつきはあるものの、
- 社台系レーシングクラブ、キャロットクラブで2頭、
- その他は1頭クラシックに出れれば及第点。
- したがって、その1頭をどう見極めるかが勝負の分かれ目。
牡馬と牝馬
- もうひとつバランスの話。牡馬と牝馬の割合である。
- 僕はPOGの目標を「ダービー」においているから、
- 牝馬をたくさん取る理由が存在しない。
- ダービーは2013年から賞金が20,000万円になり、桜花賞+オークスより大きな破壊力がある。
- すなわち、ダービーを勝った者がPOGを制することは明らかだ。
- そして、牝馬はその存在自体が大変リスキーであり、
- ちょっと頓挫すると知らないうちに繁殖へあがっているということもよくある話。
- 僕の所属するチームにおいて昨年度を例にとってみると、
- 牡馬の獲得賞金5傑の合計はダービー前の段階で58,530万円。
- 一方、牝馬のそれは12,630万円である。
- 要は、牝馬の期待値は牡馬の期待値のおよそ5分の1だ。
- (もちろん、牡馬と牝馬が同数じゃないからあくまでも目安なんだけど)
- このことから、極端に言えば牝馬を1頭も選ばないっていうのが、
- POGに勝つための最短距離なのかもしれない。
- (この仮説については、いずれ統計的アプローチを試みてみたい)
- それでもやっぱり桜花賞とオークスに1頭も出走しないとなるとやはり寂しいし、つまらない。
- 10頭チョイスでやっていた頃は牝馬は2頭までと決めていて、
- クラシックに出走できたのはピンクカメオと
- ファレノプシス(エリザベス女王杯、桜花賞他)の仔ラナンキュラス(フィリーズレビュー2着)だけであったが、
- 12頭チョイスになってからは3頭に増やした。
- その中からレッドオーヴァル(桜花賞2着)が出たのは大きな収穫だったし、今後の指針になった。
- 牝馬0頭というのは極論だけれども、
- もし牡馬と牝馬の割合がほぼ同じ、あるいは牝馬のほうが多くなっちゃったんだったら再考するのが賢明。
:POGにおける馬選びのポイント、、、のようなもの
“語る資格”と“語れぬ領域”
- 2012-2013年度は11人中5位という「トホホ」な結果に終わったのだが、
- 実のところ非常に収穫の多い1年だった。
- “感覚的”にどういう馬が走る可能性が高くて、
- どういう馬が走る可能性が低いのか、
- わずかではあるがその境界線が見えたような気がしたのだ。
- 以下にその“感覚的”なものを言語化にしてみようと思う。
- これまでの成績では語る資格はなかったが(それでも散々書き連ねてきたけれども--笑)、
- 昨年度ぐらい走ってくれれば少しは語る資格もあると思うww
- これも以前からたびたび言っていることだが、
- 僕は馬の見方について全然わからない。
- 「ツナギがどうの」とか、「トモの張りが」とか。
- わかるのはせいぜいデブかヤセかの区別程度である。
- それも隣に歩いている馬と比較しての相対的判断で、
- もしある馬が1頭で佇んでいたら、
- それが大きな馬なのか、それとも小さな馬か判断つかないだろうと思う。
- 競馬場へ行って、僕が競走馬を観るとどの馬もよく見えてしまう。
- 毛艶もピカピカで、たてがみをキレイに編んでもらって......。
- でも1着からビリまで決してしまうのが勝負の世界。
- 馬の出来不出来はどこかにあるのだろうが、
- トーシローでは判断するのはまず無理だというのが僕の一貫した考えだし、
- プロ中のプロである藤澤和雄すら『競走馬私論―馬はいつ走る気になるか』(クレスト新社、1999年)の中で、
- 「......少なくとも私の馬を見る能力はゼロに等しい」と述べている。
- ここで唐突に、
- 上は96年スプリングSでの大川慶次郎のパドック評。
- 結果はhttp://db.netkeiba.com/race/199606020211/
- これぐらいのレベルにあったら、馬体について語る資格があるんじゃないか??(笑
- 以上のことから、僕は馬のつくりで走る/走らないを判断することはナンセンスだと思っているし、
- ましてや「一目惚れ」なんて極めて危険な見方だとも思っている。
- POGにおける僕の馬選びのポイントは、
- ①価格、②血統、③厩舎、④馬主、⑤生産牧場の5つの要素だけである。
- (来年はまた違ったこと言っているかもしれないけどww)
- 以下にそれぞれの要素について説明する。
①価格と②血統
- これは単純に①価格の高い馬が走る可能性は高いし、
- ②血統の良い馬が走る可能性が高いという至極当たり前の話。
- ただ、血統と価格は一緒でも言いと思われるかもしれないが、
- この2つが一致しない場合は特に注意を要するから分けて考えるほうがベター。
- 例えば、僕が06―07年度に指名した2頭、
- アサクサキングス(菊花賞、ダービー2着)とピンクカメオ(NHKマイルC)は、
- セレクトセールにおいて、それぞれ7,100万円の価格がついた。
- 前者の父はホワイトマズル、後者はフレンチデピュティで且つ、牝馬である。
- 常識的に考えれば、そんな高額になるわけがない。
- でもそうなったことは事実であり、その高値の期待に応えたのも、また厳然たる事実だ。
- よほど馬の出来がよかったんだろうと思う。
- 馬体の善し悪しを判断できない素人でも、
- 落札価格からそれを推測評価することが出来るということを示したケーススタディ。
- 当然、逆のパターンも考えられ、
- 「こんなに血統がいいのの、意外と安いなぁ」と思ったときも、やっぱりそれなりの理由がある。
- 身体が華奢であったり、気性的な問題を抱えていたり......。
- そういった意味で①と②の差異に違和感を覚えた時、
- そこには何かしらの「裏」があると考えてよろしい。
- 話が前後してしまったが、
- 価格が高い競走馬ほど走る確率は高い。
- もちろん、POGにはジョーカーが潜んでいて、
- 超高額馬が1勝どころか、1度も走ることなくフェードアウトしてしまう馬もしばしばいる。
- それでもやはり確率的に言えば、高額馬のほうが成功することは事実である。
- 今ではすっかり凋落してしまったが、
- シーキングザパール(モーリス・ド・ギース賞、NHKマイルC)、
- エアシャカール(皐月賞、菊花賞)などの活躍を踏まえて上梓した森秀行調教師の著書、
- 『最強の競馬論』(講談社、2003年)によると、
- 「ビジネスとして競馬を考えたら、一千万の馬には手を出さないほうが無難だ。(中略)ならば、いくらぐらいの馬を買えば採算がとれるのだろうか。私は、ビジネスとして成立するのは、売買価格五千万円が分岐点だと考えている。経験的にいって、五千万以上の馬ならば、そうそう期待を裏切られることはない」
- と記している。
- ただし、近年のセレクトセールは、とてもじゃないが適正価格で推移しているとは言い難い。
- 島川隆哉、山本英俊、里見治の「新・セレクトセール三羽烏」(揶揄を込めてww)により、
- 20,000万円とか30,000万円とか平気で投入してくる。
- (ちなみに僕の考える「元祖・セレクトセール三羽烏」は近藤利一、関口房朗、臼田浩義)
- 10年ぐらい前のPOG攻略本では、「5000万円以上10,000万未満が狙い」とよく書かれていて、
- 事実、その価格帯から
- ディープインパクト(牡馬3冠、JC他)やキングカメハメハ(ダービー、NHKマイルC)など怪物級の馬を輩出したのだが、
- 昨年度、セレクトセールで重賞に勝ったのは、
- デニムアンドルビー(フローラS)が3,900万円、
- メイケイペガスター(共同通信杯)が3,000万円、
- ヒラボクディープ(青葉賞)が2,500万円、
- インパルスヒーロー(ファルコンS)が1,900万円と、
- 走りごろの価格帯は少し落ちてきている。
- そもそも昨年度はセレクトセール出身馬の成績が低調だったように思う。
- 一昨年度はダービー馬ディープブリランテがこのセール出身だったが、落札価格は3,100万円だった。
- その他、カレンブラックヒル(NHKマイルC)が3,400万円、
- 牝馬クラシック戦線を盛り上げたアイムユアーズは1,650万円。
- 高額馬には自ずと目が行ってしまうが、
- いわゆる走る価格帯は3,000万から5,000万というのが近年の傾向.
- .....ってなんしか価格だけの話になってしまったが、
- ①血統と②価格は何よりも重要な要素。
③厩舎(調教師)
- 次に③厩舎は、
- どんなに①価格が高くても、どんなに②血統が良くても、
- 調教師がヘタクソだったら、走る馬も走らない。
- ときどき「オっ!!」と思う良血馬が、聞いたことのない厩舎に入厩するのだけれども、
- クラシックに出走させてきた試しが、僕の記憶に関する限り、ない。
- よくわからない厩舎にはよくわからない騎手しかおらず、
- よくわからない結果で終わる可能性が大。
- 調教師と騎手の徒弟制度がまだ残っていた頃は、
- それをサポートする熱心な馬主もいたけれども、
- 社台中心のクラブホースだらけになった今日においては、
- より結果“だけ”が求められるようになったのは周知の事実である。
- その趨勢の中で調教師や騎手も極端な格差が生じ、
- 年間0勝のトレーナー&ジョッキーなんてザラだ。
- この点については、何かしらの改善が必要だと思う反面、
- とにかく1着を狙うスポーツなのだから、仕方がないとも思う。
- まあ、これ以上僕が考えてもどうしようもない問題だし、
- 本題からズレるので以降は触れない。
- ビッグタイトルを狙うんだったら、やはり名の通った厩舎の馬を選ぶのが勝利への“定石”。
④馬主
- ④馬主も重要な要素やね。
- 先に挙げた「新・セレクトセール三羽烏」の島川、山本、里見は、
- 依然としてクラシックに勝てていない。
- 毎年、セレクトセールだけで5〜10億円近く投じているにもかかわらずである。
- 貧乏人から言わせてもらうと、これはもはや「日頃の行い」ではなかろうか??と。
- いずれも会社の代表取締役社長(もしくは会長)なのだが、
- 「社員を大切にしているだろうか?」とか、
- 「社員(とその家庭)の生活を担保した上での競走馬への投資なのか?」とか、
- 僕はいつも労働者観点で考えてしまう。
- W.チャーチルの、
- 「ダービー馬のオーナーになることは一国の宰相になることより難しい」という格言の真意を考えるに、
- ダービーの称号は政治力でも財産でもどうにもならない“運”である、
- というのが僕の勝手な解釈だ。
- “運”を掴むには「日頃の行い」がやっぱり重要で、
- それを持っている馬主に乗っかるのがこれまたPOGにおける勝利への近道。
⑤生産牧場
- 競馬全体を俯瞰すれば、確かに非社台の台頭ってが望ましい。
- 一極集中の独占状態はどの分野においてもよろしくない状態であるし、おもしろくない。
- だが、それはまたステージの異なる話であり、
- 殊POGに関しては、社台系の馬を中心にせざるを得ないだろう。
:まだまだ続く――いささか長い前置きから
過去との言行一致
- 僕のPOGに対するスタンスは、
- 「ダービーに間に合ってくれればいい」
- と予てから言ってきた。
- つまり、ダービーから逆算してギリギリ間に合うんであれば、
- デビューが年明けになっても構わないと。
- 「近年特に気をつけていることだが、即戦力はせいぜい1頭、あるいは0頭でもいい。確かに、即戦力はスタートダッシュを決められるし、早いうちに稼いでおけばクラシックにも出られるが、(そういった馬たちは)春シーズンに結果が伴わないことは周知である。また、早期に始動した結果、故障でクラシックシーズンを棒に振る馬も多い。」
- ――えーっと、これは3年前の2010年6月に僕が書いたエントリで、
- 我ながらいいことを言っている(笑
- 確かに、POGを始めた10年くらい前は、
- とにかく「即戦力を」ということで、早熟血統で、
- 且つ、レーニングがかなり進んでいて、
- 且つ、既にデビュー戦の日程が具体的に決まっている馬を意図的に選んだものだった。
- それはそれでPOGにおけるひとつの戦略であることは間違いのない事実なんだけれども、
- 「クラシック」というものに重点を置いた場合、
- 「結果」を早く求めるスタンスはいただけない。
ちょっとした自負
- 下図は今年度のPOGの成績状況を折れ線グラフで表したもの。
- X軸に時間的経過を、Y軸に獲得賞金を示している。
- 13年5月段階でトップをひた走る赤線が僕ねww
- これを見てもらえればわかるように、
- 12年の10月前までは6位〜8位の下位に位置していて、
- まあ完全にスタートで出遅れておる。
- けれども、11月を過ぎるとようやく徐々に上昇をはじめ、
- クラシックシーズンで一気に抜け出すという、
- ほぼ僕の理想としている形になっている。
- (あくまでも5月20日段階だけど、、、)
- 他のメンバーの馬たちが続々とデビューして結果を出すと、確かに焦る。
- 焦るし、精神衛生上もよろしくない(ヾノ・∀・`)ナイナイ
- ただし、怪我をせず無事にさえいてくれたら必ず結果はついてくるし、
- また結果がついてくるように馬は厳選しているつもりww
- 致命的な故障もなく、12頭中11頭がデビュー。
- 8頭が勝ち上がり、2勝以上が4頭。
- そして、「ダービー制覇」とともにもうひとつ掲げている目標、
- 「対象期間内の全G1競走出走」はNHKマイルC以外の6レースに出走。
- (いやさ、安田記念って対象期間内だけどさ、POGの趣旨から逸脱してるっぽいよね)
- で、これは昨年度までのスタンスね。
マイナーチェンジを繰り返し
- だがしかし、、、と思うのである。
- 年明けデビューでクラシックに出ることが難しいことも確か。
- 昨年度、僕が指名した中ではコメットシーカーとデインツリーの2頭が年明けのデビュー戦を飾ったのだが、
- 順調に使えなかったこともあり、
- 2戦目でいきなり毎日杯を使ったり、そのままダービートライアルに挑んだりして、
- 結局、そこで結果を残すことができなかった。
- 2歳戦ならまだしも、3歳重賞は2戦目で攻略できるほど甘くない。
- 3歳の重賞ともなるとポテンシャルよりも実戦経験がものを言う。
- 例えば、今年はきさらぎ賞におけるリグヴェーダ(8着)がその餌食になったし、
- 少し前だとオーシャンエイプスやサイレンススズカなども懐かしく思い出される。
- 僕の記憶の範囲では、年明けの新馬→重賞を1番人気で勝ったのは、
- 05年アーリントンCのビッグプラネットと93年毎日杯のシクレノンシェリフぐらい。
- (他にこのパターンを成功させている馬がいたら教えてください)
- このような事実と昨年度の反省を勘案し、
- 何とか2歳のうちにデビューできるような馬を選びたい
- 、、、とちょっぴりスタンスを変えて挑む今年度。
:総括するには早すぎて――いささか長い前置きから
ヘタレメールfromK原市役所<奈良
- あの〜、新馬戦っていつからこんな早い時期に開催されるようになったの??
- わが友ヘタレ――と言っても僕にはほとんど友達いませんけどねww――
- からドラフトの案内がメールで来ていて、「20日に変更」、「20日に変更」って言うものだから、
- 僕はてっきり6月20日だと思っておったww
- 思い返してみると、確かに昨年トーセンパワフルが勝った新馬戦は6月2日だった(1年は早いのぅ〜、、、)。
- しかしながら、
- 昨年は新馬開始時期とユニコーンSが同じ週であり、美しくPO期間が引き継がれた印象がある。
「勝利宣言」?「敗戦の弁」?
- 一方、今年はと言うと、繰り返しになるが新馬戦が6月1日開始で、ユニコーンSが6月16日。
- つまり、新馬戦からユニコーンSまでをPOG期間とする僕の所属するチームは、
- 始めて昨年度と今年度のPO期間が重複することになり、
- ちょっと気持ちが悪いというか、個人的にはしっくり来ない。
- (注:以下、表記を統一するため2012-2013年度のPOG期間を「昨年度」、2013-2014年度を「今年度」とする)
- 今、このエントリーを書いているのがオークスが終わった5月20日であり、
- (レッドオーヴァルは来年あたりスプリント戦に出ている気がするなww)
- 最終決戦の日本ダービーを残した2012-2013年度の結果は出ていない状況である。
- したがって、僕の大好きな「総括」(もしくは「反省会」)を行おうにも、
- 勝ったのか負けたのかわからない今の状態では、
- 「勝利宣言」を行うことも、
- 「敗戦の弁」を述べることもできない。
競馬の神様はかく語りき
- 新馬戦が「メイクデビュー」の名前を変え、
- 東京と阪神で開催されるようになった2008年から時間的感覚というか、
- 体内時計が狂い始めたな。
- 新馬戦なんてもっとゆっくり行こうよ、いやマジでさ〜。
- かつて大川慶次郎が著書の中で、2歳レースについて、
- 「私はJRAの六月でも早すぎる。そもそも二歳戦そのものを基本的に好ましく思っていません。」
- (なお、著書は旧馬齢表記のため、現表記に改めた。)と述べていたのを、
- ふと思い出した。
- 理由として、
- 馬体が出来上がっていない2歳の時期は厳しい競走に耐えられないし、
- 無理をしてレースを使えば、馬が壊れてしまう「マイナス面の意義」しか見い出せないとし、
- 2歳戦を「ない方がマシ」とまで言っている。
- (詳細は『大川慶次郎回想録―杉綾の人生』日経ラジオ社、1998年を参照のこと)
:終わりのような、始まりのような―――
- 正直なところ、近年は競馬に費やす時間が極端に減ってしもうた。
- 馬券に関して言えば、昨年はたった6レースのみ。
- これはもはや競馬好きと言えるのだろうか??
- もう未勝利戦や条件戦をやることはないと思うわ。
- それに伴い競馬の知識も著しく低下。
- 15年〜20年前のG1レースであったら、
- 1着からベベまでほぼ間違いなくその結果を諳んじることができると思うけれども、
- 今じゃあ先週のレースの勝ち馬もすぐに浮かんで来ない。
- 僕も齢30個重ね、記憶力の翳りがひたひたとやってきた。
- そんな中、競馬関連書籍やウェブサイトを洗いざらい目を通し、
- ああでもないこうでもないと思いをめぐらすPOGは競馬と向き合う絶好の機会であり、
- この機会を与えてくれるPOGメンバーに感謝申し上げる。
- この文章を書き始めたのがオークスの翌日からで、
- あちこちへ寄り道し、
- 好き勝手書き綴った。
- 最後まで読んでくれたことを重ねて感謝する次第。
- 明日3歳世代の頂点が決まり、
- そして翌週からダービーへ向けて若駒たちがデビューする。
- 終わりのような、始まりのような―――
- ―――競馬の1年がまた動き出す。
- “Races at Longchamp”(Edouard Manet:1868)
- ――――第80回日本ダービーの前日に記す
:隣の芝は青く......
- 以下は僕が獲得しようと密に画策していたものの、
- 他のメンバーに取られてしまった馬たち。
- 特にダンスインザムードの仔には並々ならぬ思い入れがあり、その想いを綴ったのだけれども、
- ギムレット氏が上位指名してことにより、抽選にも持ち込めなかった。
- さすがに3位以上で指名する勇気はなかったww
- でもでも、もう既にその想いの丈を延々と書いちゃって、
- その文書をお釈迦にするのももったいないから一応載せておく。
ついにダンスインザムードにホワイトマズル交配さる!
- SS系繁殖牝馬の配合相手は限らていることは誰もが知るところ。
- 現状において、筆頭がキングカメハメハ。
- 2番手は大きく離れてシンボリクリスエス、ジャングルポケット、クロフネぐらいか!?
- こりゃヤバいってことで、社台も日高も外国で活躍した馬を種馬として輸入しているのだが、
- 昨年度産駒がデビューしたチチカステナンゴは期待外れの体たらく......。
- 先に産駒がデビューしたバゴ、ファルブラヴ、ロージズインメイあたりも、
- はっきり言って成功しているとは言い難い。
- 今年はコンデュイットの子どもたちがデビューするけれども果たしてどうだろうか??
- ダカラニからダルシャーン、そしてミルリーフへの続く父系。
- まあ、ミルジョージの産駒がよく走った頃とは、
- 同じ競馬でも全く異質の競馬になってしまったからな、日本の競馬は。
- 個人的にはチーフベアハートぐらい走ることができたら御の字かと。
- むしろ来年度デビューするハービンジャーは血統的に少しは面白そう。
- 今から思い返すと、
- サンデーサイレンス全盛期にそれに対抗できる種牡馬を見出してくる必要があっただろう。
- ラムタラの失敗はいかにもダメージは大きすぎたが......。
- そんな状況下にあって、サンデーサイレンスとほぼ同時期に種牡馬入りして、
- 今なお個性的な産駒を輩出し続けているホワイトマズルは、
- 僕が最も好きな種牡馬の1頭である。
- 何といっても06-07シーズンに1位指名したアサクサキングスの存在はデカい。
- 以降、ネオイユドゥレーヌ(通算1勝)、アサクサショパン(1勝)と地味に指名してきた。
- ビハインドザマスク(スワンS)が95年生まれで、
- 昨年のJCDを制したニホンピロアワーズが07年生まれということからも、その渋とさを窺い知ることができる。
- 産駒のタイプも多種多様で、
- アサクサキングス、イングランディーレ(天皇賞)は豊富なスタミナを生かした先行力が武器。
- 一方、ビハインドザマスクは33秒台で強烈な末脚を繰り出す短距離馬。
- そしてニホンピロアワーズはダート馬とさながらオールラウンダーである。
- とにかくその?馬っぷり”がいいよね。
- シンゲン(オースカマー)やジャドウゲイト(シンガポールエアライン)などを観ると、
- ついつい目がそちらのほうそちらのほうへと行ってしまった。
- (馬券については、痛い目に遭ったほうが格段に多いなww)
- 種牡馬としてのアベレージは決して高くはないが、
- 一発長打を狙える馬。例えて言うなら、
- 池山隆寛ばりの「ブンブン丸」。
- (あるいは1年目のバレンディンww(ボクぁ〜、ヤクルトファンじゃないけどねww)
- 数年前、僕はPOGにおいて「ブンブン丸宣言!」なるものをしたことがあるけれども、
- 要は、短距離やダートで小銭を稼ぐのではなく、
- ダービーを獲るためなら少々リスキーな血統も狙わなくてはいけないという、自戒。
- 今でもこの考え方はほとんど変わっていない。
- ホワイトマズルはその考え方を体現してくれる、唯一無二の馬。
- で、彼の「ブンブン丸」としての起源は競走馬時代にあり、
- 93年の凱旋門賞は17番人気2着、
- 同年ジャパンCは2番人気13着、
- 翌94年はロスマンズ国際Sで1番人気9着(ビリ)とまあ〜気分屋。
- それでもイタリアダービーに勝ち、
- 2年連続でキングジョージ2着とし、
- コマンダーインチーフ(愛英ダービー)と並び、ダンシングブレーヴが輩出した傑作の1頭とされる。
- ここでダンシングブレーヴについて少しだけ触れておく。
- 80年代と言うよりも、競馬史上最強とも称された伝説的名馬。
- 86年の凱旋門賞では今でも語り草。
- ジョッケクルブ賞レコード勝ちのBering、
- アイリッシュダービーを8馬身差で圧勝したアメリカのShahrastani、
- 日本にもやってきたこともある「鉄の女」Triptych、
- デビュー12連勝でバーデン賞、サンクルー大賞勝ちの西ドイツ、Acatenangoなどが集い、
- 凱旋門賞史上最高のメンバーと言われた。
- (日本のシリウスシンボリも参戦し14着。)
- ダンシングブレーヴは残り200メートルで次元の違う末脚を見せつけ、11頭をゴボウ抜き。
- 僕は安倍晋三の言う「次元の違う大胆な金融緩和」の意味はよくわからないが、
- 「異次元」を端的に表すとまさにこんな感じww
- このレースで彼の繰り出した脚は32秒台とも31秒台とも言われている。
- そんな伝説を残したダンシングブレーヴであったが、
- 引退後はマリー病という皮膚の病気に冒され命まで危ぶまれた。
- また、種牡馬としての成績は不振を極め、ついに欧州の生産界から見捨てられ、
- 日本へやってきたのが1991年のこと。
- これはwikiには載っていなけれども、当時のレートで約8億2000万円という叩き売りであった。
- 日本輸入後に、本馬の父ホワイトマズルとコマンダーインチーフが相次いで活躍。
- 見放した欧州生産界へ大いなる復讐を果たした。
- ここまでが本馬の父系のお話、ちょっと長いな。
- 最初に話を戻すと、サンデーサイレンスの直仔にあっては、
- 適当な配合相手が限られてくる。ダンスインザムードも例外ではない。
- 初年度にファルブラヴ、2年目はシンボリクリスエス、3年目はチチカステナンゴであった。
- ファルブラヴとの仔、ダンスファンタジアはフェアリーSに勝ったけれども、
- どうも真面目に走ることを知らない。
- 思い返してみると、ダンスインザムードもG1を2つ勝ったけれども、いつも遊びながら走っており、
- 潜在能力を出し切ったレースは、ダイワメジャーに負けた2006年のマイルCSくらい。
- 桜花賞もヴィクトリアマイルも、アメリカのキャッシュコールマイルも、
- 尾っぽを振って決して真面目に走っていなかった。
- 走りにも成績にもムラがある。
- だから、同じ牝馬相手のクイーンSや府中牝馬Sで惨敗してみたり、
- 3歳の身でありながら連闘で挑んだ天皇賞で2着に粘ったりと、まあ〜気分屋。
- そこへ来てのホワイトマズル。
- つまり、ホワイトマズルという気分屋×ダンスインザムードという気分屋同士の配合。
- 「ブンブン丸」としての下地は十分過ぎる。
- ダンスインザムードのファミリーは言わずもがな、
- ダンスインザダーク(菊花賞)、
- ダンスパートナー(オークス)、
- エアダブリン(ステイヤーズS、ダービー2着)がいるクラシック血統。
- ダンシングキイの父は70年代最強の称号を手に入れた名馬ニジンスキー。
- すなわち、80年代欧州最強のダンシングブレーヴと、
- 70年代欧州最強のニジンスキーのコラボレーションが日本で実現。
- 厩舎は今、日本競馬を牽引する角居勝彦。
- 兄弟すべてがKAZU藤澤だったが、ここでの角居スイッチは“確変”の明らかな予兆。
- これらを総合して夢のビッグバンコラボと言わずして、何と表現しようか!?
- この組み合わせは相当、、、熱い。
多士済々の面々
- その他ではガンバシチー氏が5位で指名したシャーピラの11(父ディープインパクト)。
- これがまさか5位で指名されるとは思わなかったww
- シャーピラはドイツの1000ギニーの勝ち馬。
- ドイツ血統とディープインパクトとの相性は抜群で、いわば「勝利の方程式」だ。
- どうだろうか、ガンバシチー氏が上位で獲得したサングレアルやマナオラナあたりよりも、
- 最終的にはこちらのほうが活躍している可能性はあるでww
- ブルック氏が4位で指名したマリーシャンタルの11(父キングカメハメハ)も実に気になる一頭。
- もともとマリーシャンタルの仔は欲しいと思っていたが、
- ファントムライト(父ホワイトマズル)もまたブルック氏に阻まれてきた。
- 兄弟たちは概して脚部不安に悩まされる傾向にあるため、
- もしそれさえ出なければクラシックに乗せる器だと僕は思っている。
:指名馬一覧――夢のビッグバンコラボ、ふたたび
1.オルドリン/牡/黒鹿毛/2011.5.9/栗東/角居勝彦
利発聡明そうな涼しげな表情と、遅生まれにもかかわらず完璧ともいえるバランスを誇る馬体は見る者を魅了します。皮膚は濡れたように薄く、日々ボリューム を増す鋼のような強くしなやかな筋肉のラインが透けて見えるようです。余裕のある膝のかぶりとクッションのいい長めの繋や飛節のほどよい折りの深さは、これからさらに身につける強靭な筋力を受けて的確に地面に伝えることができるでしょう。性格も常に冷静ながら内に秘めた強さもあり、放牧地でも自ら主張せず とも一目置かれる存在です。求められるものは大きいですが、十分に応えることのできる素晴らしい資質を備えた良駒であると信じています。(社台サラブレットクラブhttp://www.shadaitc.co.jp/より)
- 言うまでもなく、ダービー馬エイシンフラッシュの半弟。
- 社台サラブレットクラブでの募集総額は10,000万円。
- ダービー馬に対して失礼な言い方だけれども、
- エイシンフラッシュに関して言えば、「あまり強くないダービー馬」という評価だった。
- 10年のダービー自体、超スローペースでフロック的な印象が強かったし、
- 同世代のヴィクトワールピサや、ローズキングダム(ジャパンC、朝日杯FS)、
- ヒルノダムール(天皇賞春、皐月賞2着)等と比較すると1枚落ちるなぁと。
- ただただ、ヴィクトワールピサとヒルノダムールが早々に引退し、
- ローズキングダムが見るも無残な成績しか残せなくなった中で、
- エイシンフラッシュは勝ち切れずとも、安定した成績を挙げていた。
- そして、昨年秋の天皇賞で2年半ぶりの復活勝利は、
- 天覧レースということもあり、記憶に新しいところである。
- 本馬を選んだ1番の理由は実に単純で、
- 母ムーンレディはサンデー系よりもミスプロ系種牡馬のほうが相性が良いのではないかという点。
- エイシンフラッシュの父はKing's Bestで、KingmamboからMr. Prospectorへと続く父系。
- ムーンレディはエイシンフラッシュを生んだ後、
- サンデーサイレンスの直仔である、アグネスタキオン(皐月賞)、
- ディープインパクト、
- ハーツクライ(ドバイシーマC、有馬記念)と交配されたが、
- 前者カラータイマーが中央未勝利、
- 中者ダノンムーンが現段階で2勝、
- 後者アルテミスハートが未勝利と期待を上回る成績を残していない。
- 本馬はサンデー系の種牡馬から、ミスプロ系のキングカメハメハ(日本ダービー、NHKマイルC)に変わったし、
- なお且つ、キンカメはKingmamboの直仔である。
- つまり、本馬とエイシンフラッシュは半兄弟と言うよりも、3/4兄弟と言ったほうがより正確で、
- 低迷傾向を覆すにはココしかなかろう。
- しかも、厩舎は栄華を極める角居勝彦に変わり、
- ここにムーンレディ×ミスプロ×角居勝彦の夢のビッグバンコラボがここに実現!!
- 兄弟によるダービー制覇は、
- 1957年ヒカルメイジ―1959年コマツヒカリ以降、半世紀以上閉ざされた夢の扉。
- 本馬はその扉をこじ開けることができるだけの器だと思う。
- ここで少しムーンレディを含めた母系を辿ってみたい。
- ムーンレディはドイツ生まれ。
- 独セントレジャー(独G2:2800m)やドイッチャーヘロルト賞(独G3:2200m)などに勝った長距離砲。
- その父Platini、父の父Surumuといわゆる“ドイツ重戦車”の典型的なタイプ。
- (Surumuは1985,86,89-92年の独リーディングサイヤー)
- アイルランドで繁殖生活を送っていたが、
- 2006年のタタソールズ・ディセンバー・ブリーディングストックセールに上場され、
- 社台関係者により約7100万円で購入され日本へやってきた。
- 父Platiniはミラノ大賞典(伊G1:2400m)やメルクフィンク銀行賞(独G1:2400m)などのタイトルを獲得した
- 、、、というよりも、あのレガシーワールドが勝った93年のジャパンCで、
- 14番人気ながら4着に突っ込んできたと言ったほうが馴染みがあるか!?
- ウイニングチケット(日本ダービー他)とコタシャーン(BCターフ他)の間で最後まで抵抗した。
- 本馬の曾祖母、
- つまり、ムーンレディの祖母のMajoritatは、
- 独オークスのあたる87年ディアナ賞(独G2:2200m)と独1000ギニー(独G2:1600m)を制した3歳牝馬チャンプ。
- まさに由緒正しきドイツ血統。
- 言い換えるならば、ドイツ重量血統×キングカメハメハ×角居勝彦による夢のビッグバンコラボ。
- 来年のダービーが今から待ち遠しいww
- 遅生まれ??関係ないっしょ!
2.オリハルコン/牡/黒鹿毛/2011.4.14/栗東/池江泰寿
昨年募集の半姉から牡馬に変わり、しっかりサイズアップしましたが、体型としては本馬の方が素軽さに秀でたつくりとなりました。兄が昨年の欧州クラシック戦線を賑わせたように活力は十分で、日本にも実績を残している牝系ともなれば、ディープインパクトを配合し、その父の特長が備わった本馬に大きな期待をかけるのは至極当然なことでしょう。父譲りの深い胸は高い心肺機能の表れで、張りのある筋肉で覆われた前後躯や、背から腰、臀部にかけてのラインは、欧州彫刻を連想させるほど上品な容姿と言えます。馬場や環境の違いなどを憂慮するような器ではなく、常識や既成概念を超えて、世界へと大きく羽ばたいても驚くことはありません。
(G1サラブレットクラブhttp://www.g1tc.co.jp/より)
- ドラフトの行きがかり上、オルドリンを1位に指名したけれども、
- 僕個人の期待値はもしかしたらこちらのほうが上かもしれない。
- “スケール”という点では今シーズンナンバー1と言ってもいい。
- 2010年の発足したG1レーシングクラブが送り出す“超大物”。
- まあ、若いクラブだから、様子を見つつだったのだけれども、
- コレクターアイテムが昨年のアルテミスSに勝ち、
- スカイディグニティが菊花賞2着と早々と軌道に乗った感がある。
- 1つ上の姉貴ヴィルジニアはチューリップ賞で4着でまだ1勝の身だが、
- その父がSadler's Wellsの直仔Galileo (キングジョージ6世&QES他)だってことを考慮すれば、
- まずまず走っているんじゃないかな。
- 本馬の父は説明不要のディープインパクト。
- 母のシルヴァースカヤは“あの”デインスカヤと姉妹関係にある。
- デインスカヤと言えば、シックスセンス(京都記念、皐月賞2着)、
- デルフォイ(京都新聞杯2着)、スペルバインド(JRA4勝)の母親である。
- 僕がかなり贔屓にしている血統で、
- 過去デルフォイ、そして昨年度のデインツリー(JRA1勝)と指名してきた。
- つまり、この血筋は日本の軽い馬場に高い適性を示してきたと言えるだろうし、
- SS系の種牡馬と抜群の相性を誇ってきたとも言える。
- もっと突っ込んで言えば、
- シルヴァースカヤを購入して輸入したのは、
- ディープインパクトを含めたサンデー系の種牡馬と交配するためと言って過言ではない。
- デインスカヤはマイル路線(アスタルテ賞G3-1600m、ムーランドロンシャン賞G1-1600m-4着)で活躍したが、
- シルヴァースカヤはクラシックディスタンス、具体的にはロワイヨモン賞(仏G3:2400m)、ミネルヴ賞(仏G3:2500m)に勝ち、
- “長距離砲”としての実績を残した。
- これは単純にデインスカヤの父がDanehill、
- シルヴァースカヤの父がSilver Hawkに起因するものだと思われる。
- すなわち、ブルードメアサイヤーにSilver Hawkを迎えた本馬は、
- よりクラシック仕様の血統構成になった。
- ちょっと甘いところがあった伯父さんたちに比べると、血統構成を見れば間違いなく破壊力は上。
- 厩舎の“あの”池江息子。
- ディープインパクト×シルヴァースカヤ(cf.シックスセンス)×池江息子という、強烈な夢のビッグバンコラボが形成され、
- ダービー複数頭出走をマジで狙う。
3.トゥザワールド/牡/鹿毛/2011.4.12/栗東/池江泰寿
重賞5勝の全兄の募集時の写真に瓜二つの立ち姿で、見る者を圧倒する程の雄大な馬体を誇る本馬は、他馬にはない存在感を放っています。骨量豊富で筋肉質な 体ながら厚ぼったさがなく、首差しの安定感と深い胸、容積豊富なトモが絶妙なバランスで組上がっています。さらに特筆すべきはその動きです。蹄の先を顔の 前へとしなやかに脚を出し、着地した瞬間、背筋を頭まで必ずまっすぐに伸ばし、体全体を常に前方へ引き上げる力感あふれる走りを見せています。この放牧地 での情熱的な走りは遠くから見ても本馬とわかる程で、前評判通りの活躍が期待できそうです。
(キャロットクラブhttps://carrotclub.net/より)
- ドラフトの2日か3日まで、3位にダンスーズデトワールの2011、
- 4位にディアデラノビアの2011をリストアップしていた。
- ところが、ディアデラの仔の脚元に不安が出たという報を受け、
- ダンスーズデトワールの2011を4位に降格させ、
- 3位にチョイスしたのがこのトゥザヴィクトリーの2011である。
- ディアデラの仔に関しては、血統も価格も馬主も生産牧場も全て条件をクリアーしていたが、
- 調教師だけが気になっていた。
- 関東の牧光二である。
- 牧は若手調教師の1人で毎年そこそこの勝ち星は挙げているものの、
- ビッグタイトルにはまだ縁がない。
- また、厩舎の代表格であるアニメイトバイオのレースの使い方が気に入らなかったってのもある。
- ディアデラの仔もかなり調教を進めていて、いつでもレースに使える状態であったらしい。
- そんなに急がなくてもいいのに......。
- ここがG1タイトルのある調教師との差か!?
- まあ、症状は軽度と聞いているけれども、
- 一回頓挫すると立て直しにかなりの時間を必要とするのは嫌というほど味わってきた。
- POGのチョイスに際しては、脚・喉など一切の健康不安があってはダメ。
- そういうわけでディアデラの仔はバッサリ切った。
- まだ若いし、そのうち良い仔を出すと思うよ、ディアデラは。
- さて、トゥザヴィクトリーの思い出は、やはり2001年の有馬記念ということになる。
- その時僕はぐーたらぐーたら宅浪生活をしていて、今よりも競馬場へ通っていたww
- センター試験の3週間前の有馬記念も例外ではなく、
- スローペースが確実視される中、
- 一時代を築いたテイエムオペラオー(天皇賞他G1-7勝)&メイショウドトウ(宝塚記念)にも年齢的な陰りを見せ始め、
- 僕はトゥザヴィクトリーに最大級の期待を抱き単勝を握っていた――
- ――結果はご存じのように、3歳馬マンハッタンカフェが差し切りを決め、世代交代を強烈にアピール。
- 2着に13番人気のアメリカンボスが入り、
- 「マンハッタン―アメリカン」で同年に起きたWTC爆破テロ事件の「サイン馬券」だった、
- とよくわからない理由が後付けされた。
- トゥザヴィクトリーは0.2秒差の3着。
- 残り200mの時点で「勝った!」と思ったよね(笑
- もう10年以上も前のことである。
- トゥザヴィクトリーは競走成績とその血統から圧倒的な期待を背負って繁殖入りした。
- 3番目の仔ディナシーがセレクトセールで60,000万円の値が付いたトピックは、
- 各一般紙でも話題になった。
- そのディナシーは体質が弱く、結局デビューできなかったが、
- その仔つまりトゥザヴィクトリーの孫にあたるウェルデホがデビュー2連勝を飾り、
- いかにこの母系が優秀であるかを示している。
- ただし、トゥザ自身のこれまでの繁殖成績は期待された以上のものであったかというと、
- やはり物足りなさを感じる。
- 重賞5勝のトゥザグローリーは現役だけれども、
- 「夏バテ」という致命的な欠点があり、G1に勝っていないし、
- おそらく残された時間を考慮すると勝つことは難しいだろう。
- ペルーサ(青葉賞、天皇賞2着)を子ども扱いした明4歳時の最も動ける時期に、
- 転厩なども重なりレース選択を誤ったことがこの馬の不運であった。
- それでも3月中半ばデビューでダービーに間に合ったのはポテンシャルの高さが成せる技だし、
- そのダービーもキャリア3戦で0.5秒差の7着に食い込んだ。
- 本馬はトゥザグローリーの全弟。つまり父親がキングカメハメハ。
- 今年度のキャロットクラブの募集で総額10,000万円である。
- 兄貴が確か12,000万円だったと記憶しているから、少し下がったな。
- トゥザヴィクトリーも本馬を生んだ時には既に15歳であったし、
- トゥザグローリー以降、目ぼしい活躍馬を輩出できなかったのも2,000万円ダウンの理由だろう。
- ただし、もともと体質の弱く馬が多く、さらに直近2年は牝馬であったことを考えれば、
- 本馬は確実に変わってくるだろうし、G2止まりでは許されない馬。
- トゥザヴィクトリーがドバイワールドC2着以来8か月ぶりで挑んで勝った2001年のエリザベス女王杯の出走メンバーは、
- 2013年の今から眺めるとえげつないメンバー構成。
- 2着ローズバドはローズキングダム(JC、朝日杯)、
- 9着マルカキャンディからはベルシャザール(ダービー3着)、
- 10着ポイントフラッグは言うにまでもなくゴールドシップ(有馬記念、菊花賞他)の母、
- 12着スリーローマンはスリーロールス(菊花賞)、
- そして13着スプリングチケットからは短距離女王カレンチャン(高松宮記念、スプリンターズS)、
- と近年を代表する馬の母親たちがこのレースに終結した。
- 優勝したトゥザヴィクトリーとしても、やはり子どもにG1タイトルが欲しいところ。
- 調教師は2位のシルヴァースカヤと同じ池江息子。
- 兄トゥザグローリーの反省点を生かせるかどうか。
- 年齢的なことも考慮すると、ここがキングカメハメハ×トゥザヴィクトリー×池江息子、夢のビッグバンコラボ最後のチャンス。
4.レッドウォーリア/牡/黒鹿毛/2011.3.5/美浦/藤澤和雄
- ゼンノロブロイ(JC、有馬記念他)にとって、今シーズンは「勝負の年」と方方で言われている。
- 2007年に生まれた初年度産駒から、オークス馬サンテミリオンをはじめ、
- ペルーサ、アニメオトバイオ(ローズS)、
- そして古馬になってからのトレイルブレイザー(京都記念)の活躍は記憶に新しいところ。
- しかし、2年目になるとジリ貧傾向に陥り、
- 08年生まれのルルーシュが昨年のアルゼンチン共和国杯に勝っただけである。
- つまり、直近2年にデビューした子どもたちは、
- 重賞で箸にも棒にもという成績だ。
- 僕は一昨々年度と昨年度にそれぞれ1頭づつ指名したけれども、
- 結局前者が1勝、後者が0勝に終わった。
- 確かに、ロブロイの上の世代には競走実績も種馬実績も十分のアグネスタキオン、マンハッタンカフェが、
- 下の世代にディープインパクトがSS系種牡馬として一気に台頭し、
- ゼンノロブロイの競走成績をしてもいささかパンチ力に欠ける印象がある。
- 初年度の結果で出るまで産駒数が減ることは致し方ないにしても、
- 121頭→108頭→69頭(いずれも『Gallop増刊号』)とかなり減らしてきた。
- だが、今年はアニメイトバイオが2歳G1で2着し、
- 春には既述のサンテミリオンやペルーサが活躍し始めた時期に種付けされた子どもたち。
- お相手の繁殖牝馬のクオリティーが凄まじく、
- ジェンティルドンナ(JC、牝馬三冠)の母ドナウブリーニ、
- ブエナビスタ(JC、オークス他)の母ビワハイジ、
- レーディディソール(阪神JF)の母レーヴドスカー、
- ローズキングダムの母ロゼカラー、
- キャプテントゥーレ(皐月賞)の母エアトゥーレ、
- ゴールドアリュール(JCD他)のニキーヤ、
- アメリカのダートG1を11勝し米競馬殿堂入りも果たしたアゼリなど、
- 錚々たる顔ぶれが並ぶ。
- また、産駒数も184頭と質・量ともにこれまでとは異次元の領域。
- 「勝負の年」であると同時に、
- もし今年度これらの子どもたちが走らなかったら、種牡馬ゼンノロブロイの評価は失墜し、
- 再び上がってくることはないだろう。
- まさにここが“正念場”。
- で、僕に関して言えば、
- ゼンノロブロイは近年の不振も相まって、良し悪しの判断が極めて厄介というイメージしかない。
- ただ、ここまで優秀な牝馬を集められると、
- やっぱり簡単に無視することのできない存在である。
- かつて――と言っては現役種牡馬に対して失礼だが、
- 僕が種牡馬としての能力を買っていた、スペシャルウィーク(ダービー、JC他)も“正念場”を迎えた年があった。
- 2008年のことである。
- 種牡馬入り1年目に大きな結果を残せなかったスペシャルウィークの産駒は、
- 66頭まで減ってしまった。
- しかしその年のクラシックで、シーザリオが日米オークス制覇の快挙を成し遂げ、
- 牡馬戦線においても、インティライミが日本ダービーでディープインパクトの2着に入るなど活躍。
- 2年後にデビューした世代は143頭に上り、
- その中から名牝ブエナビスタ、
- ダービー2着で牡馬クラシック戦線の主役をはったリーチザクラウン、
- 皐月賞2着で今も現役のトライアンフマーチなどを輩出。
- “正念場”の年にしっかりと結果を出したあたりは、
- さすがサンデーサイレンスの直仔という強烈な印象を残した。
- この実例からもわかるように、
- サンデーサイレンス産駒は、質と量さえ恵まれれば、ほぼ間違いなく走ってくる遺伝力を持っている(はず)。
- したがって、ゼンノロブロイの“正念場”に僕も乗っかってみるww
- そこで4位にダンスーズデトワールの仔を指名することにした。
- 言うまでもなく、ルルーシュの全弟。
- ルルーシュは4歳の秋に本格化したことから、
- 本馬もちょっと成長が遅いのではないか、という指摘があるけれども、
- 実のところ彼は2歳のかなり早い時期にデビュー勝ちしているし、
- その後の札幌2歳Sでも4着とポテンシャルの高さは示していた。
- 故障による長期休養が出世を妨げたものの、
- 順調であったなら、クラシックに乗ってきたであろう器。
- ゼンノロブロイの血統構成はバリバリのダート血統で、
- 実際にマグニフィカ(JDD)やマカニビスティー(東京ダービー)など、
- 砂のほうが得意な馬も多い。
- 先にも述べたように、今年のゼンノロブロイ産駒はどれも目移りするんだけれども、
- 母系までダート色が強いと、生粋のダート馬になってしまう可能性がある。
- (トレイルブレイザーはBMSがフォーティナイナーだから深いダートに走らせたらかなり強いんじゃないかと思うが......)
- そういった理由で、
- 兄のルルーシュはある程度成功しているわけだし、
- アメリカンなタイプよりもヨーロピアンなタイプのほうが好相性と踏んでいる。
- ブルードメアサイヤーのHighest Honorは、
- イスパーン賞(仏G1:1850m)に勝ったゼダーン系の種牡馬で、
- 1995年と2000年の2度、仏リーディングに輝いている。
- ゼダーン系といえば日本で一時代を築いたトニービンがいる血脈。
- Highest Honorの直仔は日本で数頭しか走らなかったが、
- Highest Honorとその父のKenmareがそうであったように、
- 欧州特有の重々しい血統ではなく、
- 日本の軽い馬場に適応できるタイプ。
- 性別は違えど、ゼンノロブロイの産駒では母父に同じHighest Honorの血を引く、
- レーヴドスカーの仔レーヴデトワールほうが圧倒的に注目度が高いが、
- 果たして前評判を覆すことができるかどうか......。
- 馬主はすっかりお馴染みになった東京サラブレットクラブ。
- 昨年度は僕の持ち馬レッドオーヴァルが世代屈指の能力を見せつけた。
- また、ダービーにはSmart Strike産駒のレッドレイヴンが出走予定で、
- 見逃すことのできない有力な馬主クラブ。
- 厩舎は兄貴ルルーシュと同じ藤澤和雄。
- 父ゼンノロブロイを現役最強馬に育て上げた人物。
- 僕はそんな藤澤を敬愛を込めて「KAZU藤澤」と呼んでいるww
- 現状の成績に全く納得できていないのはおそらく藤澤本人だろう。
- 今年5月11日に歴代6位の1187勝を挙げた際のコメントがKAZUらしい。
- 曰く、「随分勝つスピードが落ちていますが、こんなものじゃないと思っています」
- (http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=75299)
- 「西高東低」にあって、10年連続最多勝利調教師賞を獲得したのも、今は昔の話となってしまった。
- が、この人のこだわりというか、仕事に対するスタンスってのはホントに凄い。
- 2010年11月4日のブログにて、
- 僕はKAZU藤澤のことを「天邪鬼」と呼び、
- 「勝つことへの執念は粘着気質を超過し、粘着変質者」と書いたけれども、
- 今もその考えに変わりはないww
- KAZUも今年62歳になる。
- クラシックに勝てるだけの潜在能力を持ちながら、
- 出走すらさせなかったこともあるKAZU藤澤だが、
- 近年は牡馬クラシックへの願望を語るし、
- 事実、出走もさせてきた。
- 定年まで残された時間は多いとは言えない。
- 自身が鍛え上げたゼンノロブロイの仔×ゼダーン系×東京サラブレットクラブと夢のビッグバンコラボを成立させ、
- ダービー制覇を結実させる。
5.ポーシア/牝/鹿毛/2011.3.23/栗東/藤原英昭
幼少期より流麗なラインで縁どられた馬体により見る者を魅了し続け、伸びと締まりの絶妙なバランスを保ちながら成長してきた優駿です。各関節は確かなつく りで筋肉と腱の柔軟性に富み、深く踏込んで力強く蹴り返す動きには抜群の弾力感と滑らかさがあります。キリッと目鼻立ちが引き締まった美顔に熱く強き意志 が表れ、俊敏で堂々とした振舞いに漂う気高さは一流牝馬特有のものです。日本のトップ牝馬3頭が出走したキャッシュコールマイルを驚愕の瞬発力で制した母 さながらの決め手を磨き、父に同一クラシック4連覇の偉業をプレゼントすることもけっして夢ではないと思います。
(サンデーサラブレッドクラブhttp://www.sundaytc.co.jp/より)
- 僕が牝馬最上位の評価を与えたのがこの馬。
- 上位指名は牡馬で行くと決めていたから、
- 牝馬に関してはどうしてもグレードを落とさなければ取れないというジレンマがある。
- レーヴドスカーの仔はまず間違いなく走ってくるだろうけど、5位じゃあ取れっこないし......。
- 本馬はディープウンパクト産駒。
- ディープインパクトの牝馬については、マイルまで、
- すなわち桜花賞路線であれば、選択ミスをしない限り、
- かなり高い確率で計算できる。
- 11年マルセリーナ、12年ジェンティルドンナ、13年アユサンと目下桜花賞3連覇中。
- で、本馬に関しては桜花賞はもちろんのことオークスまで期待している。以下にその根拠を示す。
- 母レディオブヴェニスはフランスで生まれ、アメリカで走った。
- 通産成績は16戦7勝。
- キャッシュコールマイル(米G3-1600m)、
- リグレットS(米G3-1800m)、ウィジャボードディスタフ(米G3-1600m)の3つの重賞タイトルのほか、
- G1ジャストアゲイムS(米G1-1600m)で2着という実績がある。
- 06年のキャッシュコールマイルは前年に日本のダンスインザムードが勝ったことから3頭の日本馬、
- ――コイウタ(ヴィクトリアマイル)、キストゥヘヴン(桜花賞)ディアデラノビア――
- が参戦し注目されたが、それらの馬を強烈な末脚で返り討ちに遭わせたのがこのレディオブヴェニス。
- 09年に日本の社台白老ファームで繁殖入りし、
- 初仔となるアクションスター(父アグネスタキオン)が京成杯で2着に入るなど、
- まずまず順調なスタートを切ったと言える。
- 本馬は2番目の仔。
- 上の成績の通り、レディオブヴェニス自身はマイル戦線で活躍したんだけれども、
- 僕が本馬にオークスまで期待するのは、
- ブルードメアサイヤーにLoup Solitaireがいるからだ。
- 競走馬としてのLoup Solitaireは1勝馬で、
- その唯一の勝ち鞍はグランクテリウムS(仏G1:1600m)だ。
- またリュパン賞(仏G1:2100m)で後の凱旋門賞馬エリシオの2着になったことがある。
- その母はLouveterieはヌレイエフの直仔で89年仏オークス(G1:2100m)の2着馬。
- 弟に98年のイスパーン賞に勝ったLoup Sauvage(父Riverman)がいる。
- この馬は昨年のダービー馬ディープブリランテのBMS......
- とまあ、これまでの説明だとそこそこ優秀はファミリーであることには間違いないが、
- 超一流ってわけでもない。
- また、適正距離もやはりマイル〜2000mあたりで、
- 僕がオークスまで期待している説明にはならない。
- 言いたいことはこれから。
- 種牡馬としてのLoup Solitaireはこのレディオブヴェニスと、
- もう1頭代表馬として挙げられる馬がいる。
- それがフランスのGentooだ。
- ジェントゥー――そんなに古い話ではないので多くの人の記憶に残っていると思う。
- ヒルノダムールが勝った2011年春の天皇賞にはるばるやってきた刺客。
- と言っても、日本のスピード競馬に対応できず、9着惨敗という成績を残し帰国していった。
- (でも、あの時の天皇賞は稍重で、タイムも過去10年で最も遅かったけれども)
- ただし、母国フランスではカドラン賞(仏G1:4000m)、
- ロワイヤルオーク賞(仏G1:3100m)、グラディアトゥール賞(仏G3:3100m)に勝ったとてつもないステイヤー。
- イエーツ(アスコットゴールドカップ仏G1:4000mを4連覇。兄はNHKマイルC2着のツクバシンフォニー)と比較すると数枚落ちるけれども、
- 日本とは比べものにならないほど深い芝で有名なロンシャン競馬場の長距離G1レースを勝ったあたりは,
- 並のスタミナの持ち主ではない。
- 確かにGentooのブルードメアサイアーはBering(ジョッケクルブ賞)で、
- 母方の血が色濃く出た可能性はあるものの、
- マイラーを出したり、ステイヤーを出したりとこのLoup Solitaireはどこか掴みどころがない。
- Gentooみたいな傾向に出れば、
- ディープインパクトとの夢のビッグバンコラボで
- 2400mまで耐え得るスタミナを持ち合わせている可能性がある。
- オークスのリベンジはこの馬で。
- いい面ばかり書いても「夢物語」となってしまうのもアレなので、
- ちょっと気になる側面も触れておく。
- 本馬に関しては馬体重。
- 「netkeiba」の掲示板情報によると、430キロ半ばくらいしかない。やはり450キロくらいは欲しい。
- レッドオーヴァルもなかなか体重が増えずにやきもきさせられたしな。
- それでもジェンティルドンナ級は別として、まあディープ産駒は概して小柄だし、
- 特に牝馬となればヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル)、マルセリーナ、ドナウブルー(京都牝馬S)、
- ジョワドヴィーヴル(阪神JF)と410〜430キロ台で活躍する馬も多い。
- また、調教師は藤原英昭でデアリングハート(府中牝馬S、桜花賞3着)という
- 小さな馬をクラシックに乗せてきた手腕の持ち主。
- そもそも、藤原はリーディングの10傑に必ず入ってくる常連なのにもかかわらず、
- 今年度が各紙厩舎の特集が組まれていなかった。
- 社台との太いパイプは相変わらずで、非常にく・さ・い。
6.○外新トップオブスターズ/牡/鹿毛/2011.2.28/美浦/戸田博文
父の欄に欧州最強馬Sea the Starsの名前が!引退からもう3年も経ったとは思えないほど濃密な活躍ぶりは強烈な印象として残されています。種牡馬入りした後も知名度の高い繁殖ばかりが集まったり、初年度産駒が高額で取引されたりと話題に事欠きません。そんな中、選ばれしこの牝系は日本でも名前を目にするザフォニック、凱旋門賞馬ザルカヴァを輩出したザミンダーと大種牡馬が並び、華やかさは文句なしです。それを知ってか他馬とは一線を画した空気を持ち、その雰囲気は「鋭い」と表現できるほど。「ワールドクラスとはこういうものだ」と彼の目は主張しています。
(サンデーサラブレットクラブhttp://www.sundaytc.co.jp/より)
- 外国産馬の本馬については、ちょっと端折って紹介しておく、、、自信がないから。
- 印象として、サンデーレーシング、社台ホースレースの外国産馬、
- もしくは持ち込み馬ってよく走ったという記憶がない。
- サンデーRに限り調べてみても、生涯獲得賞金が10,000万円を突破した馬はいなさそうである。
- しかし、例年4〜5頭の外国産馬、もしくは持ち込み馬を募集していて、
- 昨年はアゼリの仔(父:Distorted Humor)が注目を集めたが、
- 現在のところ4戦未勝利で日本で走らせるのがいささかかわいそうである。
- 社台が優秀な肌馬を探してくるのは、
- ディープインパクトを中心とするSS系種牡馬と後輩させるためである。
- セリの際、またまたお腹の中にいた仔が初年度に“外車”として募集されるだけであって、
- 実質的な勝負は2年目からと考えているものと推測される。
- つまり、日本競馬にはとても適性がないような種牡馬の仔が募集される結果、
- 全く成績を残せないというのが実情だと、最近わかってきた(ような気がする)。
- 本馬は今シーズンから産駒がデビューするSea The Starsの仔。
- 説明不要のスーパースター。
- 兄にGalileo、母は93年の凱旋門賞馬Urban Sea、
- その弟にエイシンフラッシュ父King's Bestがおり、現在の欧州競馬を体現する華麗なる一族。
- 欧州の王道路線を制圧したチャンピョンホースは日本の軽い馬場に全く対応できず、
- 多くの凱旋門賞馬がジャパンCで負けてきた。
- 古くはトニービン(88年-5着)、キャロルハウス(89年-14着)、
- Urban Sea(93年-10着)、エリシオ(96年-3着)、Montjeu(99年-4着)、
- 最近ではDanedream(11年-6着)、Solemia(12年-7着)など。
- 今ではもう定説になっているが、
- サドラーズウェルズ系の馬は日本では全く走らない(というか、そもそも競馬に対する考え方が違いすぎる)。
- Sea The StarsはCape Cross→Green Desert→Danzigと続く父系で、
- サドラーズウェルズ系よりはるかに日本に適応してきた血統。
- Danzigの直仔はヤマニンパラダイス(阪神3歳牝馬S)、
- アグネスワールド(アベイユドロンシャン賞、スプリンターズS2着)、マグナーテン(毎日王冠)らが活躍したし、
- Green Desertからはシンコウフォレスト(高松宮記念)、
- メジロダーリング(函館スプリントS、スプリンターズS2着)ら快速馬を輩出した。
- 毎年Cape Crossの産駒は5頭前後日本でデビューするが、
- 現在のところ活躍馬が出ていない点は気になるが、
- Ouija Board(BCフィリー&メアターフ2回他)がJCで好走したように、
- 極端に苦手とはしないだろう。
- ダービー馬ロジユニヴァースのBMSとしも有名。
- したがって、Sea The Starsの仔もそれなりに対応できると僕は踏んでいる。
- 母のExhibit Oneはイタリアで走り、
- カルロダレッシオ賞(伊G3:2400m)とパオロメザノッテ賞(伊G3:2000m)を制した。
- 通産11戦3勝。10年のタタソールズ・ディセンバー・セールで社台関係者により約5,000万円で購入された。
- その時お腹にはSea The Starsの仔がおり、つまりそれが本馬。
- Exhibit Oneの祖母Zaizafonからは93年の2000ギニー(英G1-1600m)を勝ったZafonicがいる。
- また、Zafonicの産駒に伊1000ギニー(伊G3:1600m)に勝ったシェンクがおり、
- 日本でマルカシェンク(デイリー杯2歳S)、ザレマ(京成杯AH)を輩出。このファミリーの繁殖実績はかなり優秀。
- 今年春の天皇賞を制した戸田博文調教師とのコラボレーションが叶い、
- 自信はなくとも明らかにビッグバン寸前の兆候!!
7.レッドラウディー/牡/青鹿毛/2011.4.1/美浦/国枝栄
- なんでこんなすごい馬が日本にいるのか??
- ――社台の底力は莫大な財力とともに、もうひとつこの国の競馬を牛耳るだけの見えない財産がある。
- 「先見の明」だ。
- 本馬の母スタイルリスティックはアメリカで準重賞レベルのいわば二流馬。
- そういう成績であるから、2008年タタソールズ・ディセンバー・メアセールに上場された際、
- 当時のレートで約1200万円でという安値で売買され日本にやってきた。
- 10,000万円を楽に超える牝馬を買い漁っている社台にとって、数ある小さな買い物のひとつだろう。
- しかし2011年、
- スタイルリスティックの弟Nathaniel(父:Galileo)がキングジョージ6世&QES(英G1:2400m)を制覇。
- 翌年にはエクリプスS(英G1:2000m)を制し、欧州王道路線の中軸を担うと、
- 1つ下の妹Great Heavens(父:Galileo)はアイルランドオークス(愛G1:2400m)に優勝。
- (実はオルフェーヴルが挑戦した凱旋門賞でしれっと6着になっている)
- この2頭の活躍により、
- スタイルリスティックは今では1,000万円そこそこでは購入できるはずがないほど株は急上昇したと言える。
- ここが社台の恐ろしいところ。
- 外国産馬として走ったダノンモンスター(父:Unbridled's Song)、
- セールの時にお腹の中にいたトレッビアーノ(父:Teofilo)はこれでもか!!
- というぐらいじぇんじぇん走らなかったが、
- アグネスタキオンに変わった2010年生まれのレッドジゼル(JRA2勝)が出たことから、
- SS系との相性は良いものと判断した。
- 伯父や伯母は父がGalileoで欧州仕様だが、
- 本馬のブルードメアサイヤーはStorm Catで米国仕様。
- 直仔は全くと言っていいほど日本競馬に適応できなかったものの、
- 母の父としてのランキングはロードカナロア(香港スプリント、高松宮記念他)の活躍もあってにわかに上昇。
- 米国競馬に数々の金字塔を打ち立ててきたStorm Catは今年の4月24日に30歳で他界した。
- まさに「巨星落つ」中で、日本のBMSランキングでサンデーサイレンスに次ぐ2位に位置していることは、
- 何とも感慨深いものがある。
- 今年はディープインパクト×Storm catの組み合わせのアユサン、キズナ(京都新聞杯)が登場し、
- 改めてSS系×Storm catの底力を見せつける結果を残している。
- 父はマンハッタンカフェ。
- 2009年にリーディングサイヤーに輝いたが、徐々に順位を落とし、昨年は10位だった。
- 3歳世代で目に付いたのはバッドボーイ(ラジオNIKKEI杯2着)、イリュミナンス(クイーンC3着)ぐらい。
- SS系の後継種牡馬が続々でデビューしたこと、
- ヒルノダムール、レッドディザイア(秋華賞、ドバイマクトゥームCR3)に続く大物が出なかったこともあるのだろうが、
- やはり社台系の有力肌馬との配合が叶わなかったというのも不運であった。
- まだ老け込むには早すぎるし、
- 社台との関係が復活してクオリティーも大幅にアップ。
- Storm Catとの組み合わせで言えば、
- 現役屈指の末脚を誇るショウナンマイティ(大阪杯、宝塚記念3着)がおり、
- 欧州のヘビーな血筋と米国のライトな血筋が見事にブレンドされた母との構成は、
- 夢のビッグバンコラボに相違ない!!
- 厩舎は関東の名門・国枝栄。
- 今年もカミノタサハラ(弥生賞)とヒラボクディープの2頭をクラシックの有力馬として送り込んできたし、
- のみならず、インパルスヒーローが短距離〜マイル戦線で活躍。
- 若手調教師の台頭も、藤澤−国枝ラインは依然として関東の双璧。
- すでに入厩していて猛時計をマーク。
- 気性はかなりきついようだが、積んでるエンジンは間違いなく高性能。
8.エルノルテ/牝/鹿毛/2011.2.24/栗東/音無秀孝
洗練されつつも、どこか可愛げがある馬です。それは内面の優しさや利発さがふとした仕草や表情に表れて、血統馬らしい優美な佇まいが私達を魅了するからでしょう。やや薄手の胸前にメリハリのある筋肉を有した上体と、高めの腰の位置から感じるのは父の香りです。ひと際目を引く発達した腰の筋肉が、回転を上げても崩れない軸の源となり、臀部・飛節・球節と瞬時に力を伝え、後肢の粘りあるフットワークを可能にしています。強い背筋で馬体の揺れを抑え、柔軟な四肢で歩幅を大きく取る推進性に富んだ走りは、「これしかない」という走る父の産駒特有の型に合致します。
(社台オーナーズhttp://www.shadaigo.jp/index.htmlより)
- 実は昨年度、1つ上の兄アドマイヤオウジャを中位で指名する予定でいた。
- だが、カメハメハ氏が3位で指名。
- 敢えなく獲得を断念した経緯がある。
- 今年度も各POG関連書籍でなかなか評判になっていたし、
- 兄も2勝したからちょっと8位指名では苦しいかな、と思ったけれども、
- 他のメンバーと重複することなく獲得に成功した。
- 本馬に関しては完全に桜花賞狙いww
- アドマイヤオオジャは非常に潜在能力の高い馬だと思うのだが、
- 訳のわからない使われ方をして、結局クラシック戦線に乗ることができなかった。
- 8月のデビュー戦を快勝後、
- ほぼ4カ月の休養し2戦目の万両賞を差し切り勝ち。
- 中3週で若駒S(5着)、そして2か月間隔を明けてスプリングS(11着)だった。
- デビュー戦から2戦目の4か月のブランクは、
- 単に成長を促す休養だったのか、あるいは脚元の不安が出たのか調べていないからわからないが、
- 万両賞で見せて末脚はケタ違い。
- 前半1000m60.7秒のややスローな流れの中、
- 4コーナー17番手から33.9秒の上がりを駆使して、前にいる16頭をまとめて差し切った。
- 2歳の暮れの段階でOPクラスに上がったのだから、
- いろいろな選択肢が可能であったはずだが、
- 何故か内回りの京都2000mを使われたり、
- 小回りでゴチャゴチャする中山の1800mを使われた点がいかにも残念であった。
- あの万両賞のレースぶりから判断すれば、
- コーナーは4つあるよりも2つのほうがいいに決まっているし、
- 直線は長いほうがいいに決まっている。
- 勝てたかどうかは仮定の話になってしまうが、
- 共同通信杯、アーリントンC、毎日杯あたりに使っていれば、
- 違った結果が付いてきたように思う。
- 本馬のシーズオールエルティッシュはアメリカで走り、ダートG2ボニーミスS(米G2-1800m)に勝った。
- 重賞はその1つだけ。通産成績は11戦3勝。
- 引退後の2009年キーンランド・ジャニュアリーセールで社台関係者によって約2,500万円で落札された。
- 価格からもわかるように、成績と血統ははっきり言って二流。
- 実際、その父(つまり本馬のブルードメアサイヤー)のEltishなんて昨年まで聞いたことがなかった。
- 成績もG2止まりで25戦5勝。
- 代表産駒がシーズオールエルシッシュだからいわゆるマイナー血統と言えるだろう。
- ただ、マイナー血統の能力を最大限に引き出すのが種牡馬としてのディープインパクトの底力。
- と言うか、僕はどちらかというとアウトブリードのほうが好きである。
- (もちろん、エルコンドルパサーの配合を考えた渡邊隆は凄いと思うよww)
- 現在の日本でアウトブリードを構築することはかなり難しい様相だが、
- 本馬はTurn-toとNorthern Dancerのクロス5×5がある程度で、まあ無視できるインブリード。
- 厩舎は音無秀孝2000年以降リーディング争いの常連。
- カンパニー(天皇賞、マイルCS)やオウケンブルースリ(菊花賞)など意外な馬を走らせるのがこの人の特徴。
- ディープインパクト×マイナー血統×音無秀孝の夢のビッグバンコラボが炸裂し、
- 牝馬戦線のビッグタイトルをいただく。
9.プレスアテンション/牡/栗毛/2011.3.24/栗東/音無秀孝
- 今年度、唯一の個人馬主所有の競走馬。
- (本当はダンスインザムードの仔が欲しかったが、、、このことについては次章「隣の芝は青く......」で詳しく述べる)。
- 神サマ、仏サマ、金子サマ。
- 今年のカミノタサハラ、デニムアンドルビーと相変わらずの相馬眼を見せつけている。
- セレクトセールにて4,900万円で売買され、今最も走りごろの価格ww
- 母のリードストーリーは本馬が3世代目。
- 今のところ目立った活躍馬は出していないが、
- 競走実績はなかなかのものでチャーチルダウンズディスタフH(米G2:1600m)、
- フォールズシティH(米G2:1800m)など通産8勝。
- 社台関係者がキーンランド・2008ノベンバー・ブリーディングストックセールで約7,000万円で購入した。
- リードストーリーはフォーティナイナーの直仔で96年ベルモントS(米G1:2400m)の勝ち馬。
- 兄弟にHold That Tiger(仏G1-ジャン・リュック・ラガルデール賞)がいて、概して成長の早い血脈。
- 以上のような母系であるから、
- 血統だけみるとフジキセキとの配合によってダート色が強いように思える。
- 父フジキセキは万能型の種牡馬で短距離〜長距離、芝/ダートを問わない。
- それは母系の血統をうまく引き出しているとも言える。
- カネヒキリ(JCD、フェブラリーS)、はBMSにDeputy Minister、
- ドリームパスポート(神戸新聞杯、JC2着)はBMSにトニービン、
- ダイタクリーヴァ(スプリングS、皐月賞2着)はサクラユタカオーと言った具合に。
- ただし、Pleasant Colony(ケンタッキーダービー、プリークネスS)と配合したキンシャサノキセキ(高松宮記念)のようなタイプもおり、
- 一概に括れないのもまたフジキセキの魅力である。
- SSの後継種牡馬として常に先頭を走ってきたフジキセキも20歳を超えた。
- 数々の名馬を輩出してきたが、クラシックはまだ勝てていない。
- それでも今年はタマモベストプレイ(きさらぎ賞)が頑張っており、健在ぶりをアピールしている。
- 金子真人と夢のビッグバンコラボを再度結成し、
- 芝のビッグレースを本気で狙う。
10.ヴェイルオブクララ/牝/栗毛/2011.4.9/栗東/平田修
全体的にやや幼い初仔らしいシルエットを見せていましたが、ここへきて上体に幅が出て、脚取りには力強さを感じさせるようになり、本馬の秘める成長力には注目せざるを得ないところです。牝馬ながらガッシリとした骨格を有していることもあり、発達してきた筋肉とマッチした非常にバランスのいい姿に目がとまります。柔らかく滑らかな歩様からは、その体を無駄なく使える高いレベルの運動神経の持ち主であることも容易に想像できます。その身体能力と2歳戦のG1を制した母の成績を考えれば、早い時期から潜在能力を発揮するということがあっても何ら不思議のない素質馬といえるでしょう。
(社台オーナーズhttp://www.shadaigo.jp/index.htmlより)
- ダンスーズデトワールの11のところで述べたように、
- ゼンノロブロイは配合相手によってダート馬になってしまう血統構成。
- 僕はついさっきまで競争実績断然、
- 2007年度エクリプス賞最優秀古牝馬のジンジャーパンチ(父Awesome Again)とロブロイの仔にしようかと思ったんだけど、
- 走ったとしてもおそらくダートだろうし、
- 血統と価格(2,800万円)に隔たりがあるから今年度は見送り。
- 本馬の母ララアは父方こそアメリカンなダート血統だが、
- 母系はEl PradoからSadler's Wellsに繋がっていく血筋で、
- ララア自身全天候馬場で2勝、芝で2勝(ダートは1戦0勝)で
- BCジュヴェナイルフィリーズターフ(米G1-1600m)は1番人気で3着。
- AWのG1ハリウッドスターレットS(米G1-1900m)08年のチャンプ。
- したがって、父Tapitよりも母方のほうの傾向を示したと言えるだろう。
- 8戦4勝で引退し、2009年のファシグティプトン・セレクテド・ノベンバー・ミクストセールに上場され、
- 社台関係者によって約7600万円で落札された。
- この馬もまたSS系との配合を見越して購入されたと言っていい。
- 本馬が初仔となるため、繁殖実績はないが、
- たくさんのレースに出て酷使されなかったのは良質な肌馬の条件でもあるし、
- その中でG1に勝ったのだからポテンシャルはかなりのものと推測できる。
- 調教師は平田修。リーディングトップ10に入ったことはないものの、20傑に入るようになってきた。
- 今年が開業6年目の昨年は、カレンブラックヒルとグランデッツァの活躍で上昇気流に乗った感がある。
- 父・母・調教師と強烈なビッグバンコラボ、、、というわけにはいかないが、
- 来年の春には夢のビッグバンコラボを完成させていることを祈りたい。
11.ピオネロ/牡/鹿毛/2011.4.8/栗東/松永幹夫
父ネオユニヴァースは、四肢が細めで馬体表面の筋肉の凹凸がなだらかな牡馬としては上品な馬体形成で、その活躍産駒を思い起こすとふっくらどっしり型牝馬との相性が良いと感じます。重心が低めで豊かな胴部を有する母クルソラとの配合で生まれた本馬はイメージどおりの出来映えで、十分な骨量と張り出しよい腹袋を持ちながらも、身のこなしの軽さは損なわれていません。操舵性に優れたしなやかな首、スラリとした四肢、程よく引き締まった背筋、緩衝性に富んだ繋、この馬体特性を生かして草地では伸びやかで、弾性に富む動きを見せています。
(キャロットクラブhttps://carrotclub.net/より)
- 近年、ペルーサやディアデラノビアの活躍により注目されている南米血統。
- 欧州や大洋州にくらべると確かに馴染みは薄いけれども、
- アルゼンチン競馬は日本よりも高速決着であるという記録が残っているし、
- 時に“怪物級”の競走馬を輩出するのもまた南米である。
- その代表はInvasor(父:Candy Stripes)だろう。
- ウルグアイ生まれの彼は、母国のタイトルを総なめにするとアメリカへ移籍。
- ダートレースの最高峰に数えられるBCクラシック(米G1-2000m)とドバイWC(唖G1-2000m)勝ち
- 2006年世界最強馬の称号を手にし引退した。
- 通算12戦11勝。
- 馬名はスペイン語で「侵略者」。
- (旧植民地出身馬が欧米のビッグタイトルを奪取するさまは痛快)
- もう1頭僕が思い浮かぶのは1994、95年とジャパンCで来日したサンドピット。
- 彼はブラジル産。日系人騎手コーリー・ナカタニとのコンビが懐かしく思い出される。
- 94年は1番人気で5着(勝ったのは日本のマーベラスクラウン)、
- 95年は3番人気で8着(勝ったのはドイツのランド)だった。
- 初来日の際、
- パドック解説をしていた大川慶次郎が「世界を制圧できる馬」と惚れ込んだ巨漢馬。
- 「制圧」とまでは行かなかったが、
- その荒々しい気性も相まってアメリカを中心に芝・ダート問わず暴れまわったことは事実である。
- 通算40戦14勝、G1はブラジル時代を含めると9勝。
- 本馬はまさにその南米アルゼンチンの母系を持つ熱い血統。
- 母Cursoraはエンリケアセバル大賞(亜G1-2000m)、
- 国際コパデプラタ大賞(亜G1-2000m)という2つのG1タイトルを獲得した。
- 特にコパデプラタ大賞はアルゼンチンのみならず、南米最強牝馬決定戦という位置づけであり、
- 日本で言うならばエリザベス女王杯に相当するんじゃないかな。
- タイムも1:58.20(南米は1/100秒台まで計測)とやはりスピード決着になっている。
- Cursoraは現役時代に社台の吉田勝己に購入されアメリカへ移籍したが、
- ピークを過ぎていたらしく結果を残すことができなかった。
- ただし、吉田勝己は端から競走馬としてよりも繁殖としての期待を込めて購入したと考えられる。
- ちなみに購入価格はシークレット。
- Cursoraの父、すなわち本馬のBMSはCandy Stripes。
- ペルーサと同じ......いやいや、最初に言ったInvasorの父親だ。
- Candy Stripes自身はアメリカ生まれのフランス育ちであったが、
- 引退後アルゼンチンで供用された。
- 95年にはアルゼンチンのリーディングサイヤーの座を獲得した。
- でもっと面白いのは、Candy Stripesの母がバブルカンパニーってこと。
- バブルカンパニーはご存知のようにバブルガムフェロー(天皇賞、朝日杯)の母。
- つまり、バブルガムフェローとCandy Stripesは兄弟であり、
- バブルガムフェローにとってInvasorは甥にあたる。
- また、バブルカンパニーはその子どもにバブルガムフェローやCandy Stripesの他に
- バブルプロスペクター(父Miswaki)がおり、
- その子ども(つまり、バブルカンパニーの孫)にザッツザプレンティ(菊花賞)がいる。
- すなわち、バブルカンパニーを中心に、
- 日本競馬と亜競馬は血統的に極めて近しい関係にあり、
- また非常に優秀な実績残してきたとも言える。
- そんなアルゼンチン最強牝馬に、
- 長打力ではディープインパクトをも凌駕するネオユニヴァースを父に迎えた本馬は
- 夢のビッグバンコラボと言うにふさわしく、
- 当たった時の飛距離はジェシー・バーフィールド(93