:ニューイヤーSに係る回顧録




馬券で中るのは、人の心を中(あて)るより六(む)ずかしいじゃありませんか。夏目漱石三四郎』より美禰子の言葉

 買い方を3連単のみにシフトして今回が3レース目。かなり際どい勝負まで持ち込んだことで、もちろん悔しいものの、一定の目処がついたというか、これだったら相当楽しめるなという手応えを掴むレースになった。



 焦点は、マヤノツルギが1600mに耐えられるか?だったが、完勝と言ってよい。前半57.3秒のペースを追走し、0.3秒差まで粘った阪神Cに比べれば、59.0秒の今日は数字的には楽だった。しかしながら、かなり時計を要すようになってきている馬場と、3〜4コーナーでサンツェッペリンに絡まれたことを考慮すれば、かなりキツい展開だったと思う。初マイルで押し切ってしまうあたりは、先述したように、やはり藤田の腕っ節と言ったところか。



 イクスキューズを拾えなかったのは、本当に痛恨だった。というのも、このメンバーを見たとき、真っ先に目が行ったのがイクスキューズだったからだ。先行有利の馬場と展開だったターコイズSで、外から一瞬伸びかけた脚を、看過してはいけなかった。今回は、ターコイズS組を軽視したし、「先行できれば」という条件付きだったので、結局マイネルポライトの方を選んでしまったのだ。これは致し方ないと言うべきであろう。やや渋った馬場は合う。そうはいうものの、スタートしてややかかり気味で、決してスムーズなレース運びではなかった。まだまだ良化の余地はある。



 今回、馬券の対象にしなかったものの、見どころのあった馬を挙げておく。まずダブルティンパニー。実に3年半ぶりのマイル戦。しかも外枠で前半は仕掛け気味に先行した。それでも最後まで応戦し、掲示板を確保。今日の馬場は決してこの馬にとっては歓迎できるものではなかった。2000m超のレースでやや頭打ちの状態だったが、マイル戦線で見直し可能。左周りのほうがいい印象があるので、東京や新潟のマイル戦で狙いたい。あと、猛時計を叩き出してやや注目を集めたサンツェッペリン。今日は結果が伴わなかったが、闘争心を煽るため強引にまくった。次あたり、メンバーと展開次第では印を用意しておく必要があるかもしれない。