:宝塚記念に係る1週間前予想



 昨年の宝塚記念以降、的中0という不遇の時を経て、今回こそは絶対に当てるんだという意気込みを以って挑む。



ウォッカの回避

 ウォッカの回避については、ある程度想定していたというか、おそらく出してこないだろうと思っていた。安田記念後の陣営のコメントを斟酌すると、出走に対してかなり否定的だったし。ただ、ファン投票で圧倒的な支持を集めたにも関わらず、早々に回避を決定すると、世論のバッシングを受ける可能性があり、ぎりぎりまで判断を伸ばしたようにみせかけた。もう「出ない」ってことは決まっていただろうけど。最終追い切りの後、すなわち25日に出走するか否かを発表すると言っていたが、これも前倒しになり昨日21日になった。このあたりも「出ない」ということが最初から決まっていたかのようである。つまり、「最終追い切りで判断する」としてしまうと、追い切りは敢行せねばならず、無用な負荷をかけてしまうからだ。したがって、マーメイドSが行われた日曜日に回避を明言することで、世論の批判を避けると同時に、追い切りもしないという絶妙のタイミングであったような気がする。しかし、「出ない」理由を馬場のせいにしたのは、いささか判断ミスの感を否めない。ファン投票で1位になった馬が、「重い馬場を走りたくない」というのは、欧米的な考えで、(小生を含めた)考えの古い日本のファンは納得しかねる。せめて「安田記念後の回復が思うように進まなかった」とでも言っておいたほうがベターだった。藤澤和雄が言うように、宝塚記念というG1は、目標ではなくなってしまう*1。ただ、もし角居の中に、馬場の悪化による回避を日本に根付かせようという意図があったならば、それは評価する。



絶好の舞台へ


 サクラメガワンダーは、昨年の宝塚記念の際、福永が「上手く乗っていたら勝っていたかも(12番人気4着)」と反省していた。確かに勝負どころで溜めたせいで、エアシェイディドリームパスポートのさらに外を回る展開になり、決して褒められた騎乗ではなかった。それでも0.3秒差の4着まで来たのだから地力はある。一時期、低迷期があったものの、昨年の秋あたりからパンチ力が増した印象がある。天皇賞ウォッカダイワスカーレットを褒めるべきだが、それでもも外々を通って0.3差の6着まで肉薄した。その内容はディープスカイやカンパニーよりも濃かったと思う。今年は早い段階でこの宝塚記念に照準を合わせ、それに逆算する形で金鯱賞を使ったローテーションも好感が持てる。もともと宝塚記念は目標にしにくいタイプのレースである。春は天皇賞安田記念が第一目標になり、暑くなり始めるこの時期は、ウォッカのように放牧へ出される馬もいるし、アサクサキングスのように、故障を含め、既に余力がない馬もいる。やはりこの時期は難しい。そういった中で金鯱賞というステップは理想的であるし、中途半端に中山記念大阪杯を使わなかったのも良かっただろう。ウォッカ回避で俄然チャンスが出てきた。




 小生は、昨年の冬の段階から「フジ」「フジ」言ってきた。一般的には冬場しか走らないと言われているが、それは結局春になると相手が強化され成績が伸びないだけである。王道路線を歩めばある程度成績が下がるのは仕方がない。もともと高速決着は不向きであり、平坦なコースよりも坂があり、軽い馬場より重い芝のほうが走るイメージがあった。ダートに挑戦させたのは、陣営もそう感じていたからだろう*2。ただ、昨年の毎日王冠くらいからそのイメージを打破し、高速決着にも対応できるようになった。それが中山金杯である。重賞でトップハンデを背負った馬が勝ったのは、1年半前のポップロック目黒記念)以来。それだけにG3とは言うものの価値はあった。大阪杯は先行馬にとって大変厳しい馬場状態になっており、その中で4コーナー先頭で0.3秒差なら差し込んだドリームジャーニーディープスカイとも、言うほど差はないと思っている。既述したように、坂のあるコースで、やや馬場の渋るこの時期はフジにとって絶好の舞台。一昨年は4着であり、昨年は6着だったものの、3、4コーナーの手応えは6着に粘れるようなそれではなかった。あの手応えでエアシェイディやカンパニー、ドリームパスポートらに先着しているのだから恐れ入る。昨年や一昨年に比べてメンバーは格段に弱化するし、はっきり言って、フジにとっては最後のG1獲りのチャンスだと思っている。新潟大賞典負けたことで、人気も相当落ちるので、一発に期待。