:有馬記念のためのブレーン・ストーミング
- 今年は最も競馬をやらない年になった。
- 回数だけをみれば、
- 大学受験の時よりも競馬場へ行く機会は減った。
- 回収率は何とか100%を超えているが、
- 有馬記念を外すとマイナスに転ずる。
- つまり、ここが正念場!
- オルフェーヴルが出走すればオルフェでいいかなと思っていた。
- ジャパンC(2着)は何ら悲観する内容ではなかったし、
- むしろ、あの速い上がりでスーっと4角で上昇してきたあたりに、
- 現役最強馬の真髄を見た。
- ただただ残念なことに、
- 「現状では満足できる状態で走らせられない」(池江)とし、
- 回避が決まった。
- また、そのJCに勝ったジェンティルドンナも
- そもそも有馬記念出走は構想に入っていなかった。
- すなわち、特A級の馬はいないというのが今年のメンバー構成。
- だからかなり強引な予想も成り立つというのが僕の見立てで、
- 例年なら「ないわ〜」と思えるような馬でもチャンスある。
- まず僕が目をつけたのがJC15着(14阪人気)だったメイショウカンパク。
- そもそも今年のJC、ペースが独特で、
- 前半の1000mが60.2秒、
- 後半の1000mが58.6秒という上がりの勝負になった。
- 後方から追い込むタイプの馬には相当キツい展開になって、
- 一番後ろの17番手にいたメイショウカンパクは端から白旗だった。
- (レース映像参照:http://www.youtube.com/watch?v=tT-_bNAUAEo)
- スクリーンヒーローが勝った2008年のJCも同じようなレース展開になって、
- 前半が61.8秒の後半が58.3秒。
- 明らかに力不足のネヴァブションが逃げて7着に粘れるような展開。
- (レース映像参照:http://www.youtube.com/watch?v=vWhGHInFnQM)
- んで、この時後方待機策で、
- 直線に入っても差を縮めることができなかったアドマイヤモナーク(12着)は、
- 有馬記念14頭中14番人気の中、一世一代の追い込みを決め、
- 3連単985,580円の立役者となった。
- (レース映像参照:http://www.youtube.com/watch?v=VMQlu1j6-O0)
- メイショウカンパクにはこの時のアドマイヤモナーク的な気配を感じたのだが、
- 年明けの日経新春杯に回ることになり、有馬には出ず。バアバア!
- 出走しない馬について熱く語っても仕方ない。トホホ。
- 肝心の展開を考えると、
- 僕は大きく分けて3つのパターンがあると思う。
- ①ゴールドシップの捲りがハマり、先行馬が玉砕。伏兵が差し込むパターン。
- ②ゴールドシップの捲りが不発に終り、先行馬が粘るパターン。
- ③ゴールドシップの捲りは決まるものの、先行馬がそのまま残るパターン。
- いずれにしても、ゴールドシップの動き次第で、
- レースの展開も結果も変わってくるんじゃないかと思っている。
- 僕は①のパターンの可能性が4割、②と③がそれぞれ3割くらいと、
- はっきり言って、未だ展開を読めていない。
- ここで自ずとゴールドシップについて触れなくてはならない。
- 自称競馬歴18年の僕も、
- ここまで“大味な競馬”をする馬は見たことないww
- (レース映像参照:http://www.youtube.com/watch?v=7iISACKLNUE)
- 条件戦ならともかく、
- 菊花賞のレースぶりなんて、近代競馬の摂理に抗うような走り。
- 今から29年前の83年菊花賞で、
- 同じようなレースをした3冠馬ミスターシービーについて、
- 調教師の松山が騎手の吉永に、
- 「こういう競馬(=後方から一気に捲るレース)を続けているとツケが回るぞ!」
- と言ったらしいし、
- 岡部幸雄は「あれでは近代競馬は勝てない」と批判した。
- ミスターシービーはその後2000mの天皇賞に勝っただけで、
- 岡部を鞍上に迎えた1歳下の3冠馬シンボリルドルフに3戦全敗で引退し、
- 彼らは近代競馬のセオリー強烈に確立したと言ってもよい。
- あれから30年経過して現れたゴールドシップは、
- とてつもなく強い馬かもしれないし、
- 古馬初対決となるこの有馬記念で、
- 底が見えるかもしれない。
- いずれにしても試金石となる一戦で、
- 僕が展開を読めない理由もそこにある。
- この馬に関してはペンディング。
- 気になる馬に話を戻す。
- ブレーン・ストーミングver.1でも触れたように、
- 2年連続でこのレース3着のトゥザヴィクトリーは、
- やはり気になる存在。
- 問題はここのところの成績が芳しくない点。
- 「寒くなると走る」というのは、
- この馬の最もわかりやすい特徴なのだが、
- 今秋の2戦の内容は非常によろしくない。
- 昨年の秋は天皇賞5着、JC10着と負けてはいるものの、
- それぞれ勝ち馬から0.6秒、0.8秒差であり、
- 着順ほど負けてはいなかった。
- それが今年は天皇賞18着(3.1秒差)、
- JCDは12着(1.7秒差)とほとんど競馬になっていない。
- 世間で言われているように気持ちが切れたか!?
- ただ、僕はこの秋の大敗の理由の別のところに見出している。
- それは体重である。
- 4ヶ月ぶりの天皇賞は520キロのマイナス16キロと、
- 完全に夏負けし、調整に失敗したと思わせる減り方。
- しかもレースは最も不利な18番枠で話にならなかった。
- (レース映像参照:http://www.youtube.com/watch?v=BGX3gpLyhvk)
- JCDでは減った体重を一気に戻し、
- 538キロのプラス18キロだった。
- 血統的にダートは向きとは言え、
- 初ダートがG1ではあまり荷が重かった。
- それでも4コーナーで「オッ!」っと思わせるシーンがあったから、
- ゆっくりではあるが復調してきているのではないかというのが、僕の見解。
- (レース映像参照:http://www.youtube.com/watch?v=3dTW2EOgPiw)
- 近走の成績から、調教師の池江はネガティヴなコメントに終始するだろうが、
- あの人は天邪鬼なところがあるから、気をつけたい。
- 次に気になるのは南東馬ナカヤマナイト。
- 今年の宝塚記念でどこまでやれるか、
- 僕は馬券を握り期待していたのだが、
- 勝ったオルフェーブルから離されること2.6秒差の8着。
- 一線級とはまだまだ力の差があることを見せ付けられる結果になった。
- 秋はオールカマーに勝ち、
- オルフェのいない天皇賞では6番人気に支持されたが9着。
- ただ、宝塚記念2着だったルーラーシップとの差は、
- 1.6秒から0.7秒に詰まった。
- なにせJCを使わなかったローテーションに好感が持てる。
- 天皇賞→JC→有馬と続く王道路線の有馬記念において必要なのは、
- ずばり「余力」。
- 秋3戦とも目一杯のレースをするのはやっぱり厳しい。
- ただ、このナカヤマナイト、ちょっと人気しそうなんだわね。
- 見え見えの穴馬で、もはや穴馬ではなくなってしまう可能性がある。
- そこで更に深読みすると、
- オールカマーでこのナカヤマナイトに負けた
- ダイワファルコンという僅かな可能性に引き寄せられる。
- 先週まではダイワファルコンなんて全然考えていなかったけど、
- ナカヤマナイトと大差ない競馬をしているのに、
- たぶん人気は全くないと言っていい。
- つまり配当的妙味だったら、こちらが圧倒的だ。
- 天皇賞は10着で、ナカヤマナイトとタイム差なし。
- 中山競馬馬は(5.3.1.4)と抜群の相性を誇る。
- 大駆というか、一発という点ではこの馬か??
- 続いて人気どころを見ていく。
- 天皇賞、JCいずれも3着のルーラーシップは古馬の大将格。
- フツーに走れば勝てそうなのだが、
- やはり3戦連続の出遅れ癖がいただけない。
- なんか悪化しているような感じなのよね。
- それでも絶望的な位置から3着まで差し込んでくるのは、
- ポテンシャルの高さの成せる技なんだろうけど。
- もともと出遅れ癖はあって、
- 昨年の金鯱賞でも致命的な出遅れを犯しながら、
- 能力の違いで勝ってしまった。
- オルフェもジェンティルドンナもいないこの有馬記念では
- 少々の出遅れでもと思うのだが、
- 僕が気になるのはそれよりもローテーション。
- もともと休み明けを苦にしないタイプで、
- 鉄砲成績は抜群だ。
- 裏を返せば、コンスタントに使われることのなかったルーラーにとって、
- 天皇賞→JC→有馬と続く3連戦は未知のゾーン。
- 昨年は有馬記念1戦だけ、一昨年は鳴尾記念から有馬記念の2戦で、
- メイチの仕上げでG1に3連チャンというのは果たしてどうか??
- 僕はJCがピークの仕上げだと思っているから、
- ここに関しては懐疑的だ。
- 次に天皇賞、JCと4着だったダークシャドウ。
- 昨年の2着に惜敗した天皇賞から、
- 今年の照準を天皇賞に絞ってきた感のある使い方。
- 左周りの2000mというのはこの馬にとってはこの上な絶好の舞台で、
- 僕は迷いなく本命にしたんだけど、4番人気4着に負けたww
- 右周りは決して下手というわけではないが、
- 初めての2500mと6つのコーナー、
- 3つ続く極限のレース、と克服しなければならない課題は多い。
- ルーラーシップと全く差のない競馬をしているから、
- もしルーラーより極端にオッズに差があれば一考を要するが、
- 敢えてプッシュできる材料はないかぁ〜。
- 天皇賞に勝ったエイシンフラッシュはここがラストランという噂。
- 昨年もオルフェの2着で適性は疑う余地はない。
- しかしながら、JCの負け方(10着)がちょっと不可解で、
- どうしたものかなぁと。
- 最初のほうに書いたように、
- 今年のJCはスローからの上がり勝負で、
- エイシンフラッシュにとって最も得意とする、願ってもない展開になった。
- 毎日王冠を含めて秋4回走るのは今回が初めてで、
- ちょっとお釣りがないかもしれない。
- また、ラストランで100%の仕上げに持ってくるとは思えず、
- 最強世代の1頭と言われた本馬もお役御免かもしれない。
- ゴールドシップ
- トゥザグローリー
- ダイワファルコン
- ナカヤマナイト
- (ダークシャドウ)
- 最後に申し添えれば、
- 今年の有馬記念は、個々の馬の能力比較も重要だが、
- それ以上に展開を読み切った者が勝つんじゃないかと思う。