:皐月賞とか
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- まず最も気になる存在は、スプリングS4着だったフェイムゲーム。
- このレースのVTRを何度観ても、
- 「よく4着まで来たなぁ〜」と僕は関心してしまう。
- スタートでタイミングが合わず出遅れ(写真穵)。
- 1コーナーで並走していたザラストロに寄られ、
- かなり外を回されるロスがあった(写真穸)。
- 不幸な不利はまだ重なり、
- 仕掛けようとした3〜4コーナーでマイネルトロラーノに
- 進路をカットされ、一旦ブレーキをかけている。
- で、結局大外に持ち出し、
- 4コーナーを回った時はもはや絶望の13番手(写真窂)。
- そこからよく追い込み、
- 勝ったロゴタイプから0.3秒、
- 2着のタマモベストプレイからは0.1秒まで肉薄したのだから、
- 能力はこのメンバーに入っても見劣らない。
- しかも、レース全体の上がりのラップを見てみると、
- 12.1-12.3-11.4-11.9(秒)と、
- 最後の2ハロン(※1ハロン=200m)は11秒台に突入。
- そうでありながら、
- 実際フェイムゲームの脚が特に際立ったのは、
- ゴール前200mであるから、
- この馬自身、11秒の前半の脚を繰り出していることは明白で、
- うん、思った以上にキレたなぁという印象。
- 彼は-2000mで2勝しているように、
- 1800mは少し忙しいことは戦前からわかっていたことだし、
- 調教師の宗像もその点については認めていた。
- したがって、まあ負けはしたものの、
- 試走としては及第点のレースぶりだったと評価できるのではないか!?
- 心配な点は、
- 概してスタートが悪いという点、
- それからトライアルレースにしては位置取りが後ろ過ぎたという点である。
- 皐月賞は小回りにも関わらず、意外と追い込みが利く。
- 一方で、トライアルレースはそれなりに積極的なポジションで競馬をしないと、
- 本番で惨敗する傾向は過去のデータが示しており、
- 終始10番手以降であったフェイムゲームのスプリングSは、
- “データの上では”厳しい評価にならざるをえない。
- ただし、ポジショニングが悪くなったのはスタートで出遅れたからで、
- 五分に発馬できれば、それなりの位置でレースは出来るはず。
- 僕が予てから申し上げているように、
- データって何事においても物凄く大切な要素であるけれども、
- もっと大切なことは、データの使い方というか、取捨選択。
- 競馬の面白さは、
- データ通りに決すること以上に、
- データを根こそぎ覆す馬が現れるところに、
- 名馬なり名勝負が生まれると思うのだが......まあ余談ですww
- そんなわけで1頭目はフェイムゲーム。
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- 次に注目すべきは弥生賞4着のエピファネイア。
- 僕がデビュー前からその能力を見込んだ馬ww
- 昨年末の段階では、
- 「東のコディーノ、西のエピファネイア」と言われていたが、
- 両馬共に今年緒戦で敗北を喫し、
- いささか評価を下げた感がある。
- しかしながら、単純な性能比較だったら、
- 頭ひとつ出ているのではないかと思う。
- 僕が皐月賞において重要視するポイントは「バテない脚」。
- 一瞬のキレよりもむしろ持続性のあるスタミナのほうが皐月賞向きだ。
- 先に挙げたフェイムゲームも、京成杯ではいい脚を長く使った。
- そこで僕は各馬の上がり4ハロンのタイムを注視する。
- いかに持続的な脚を持っているか、を評価するには、
- 上がりの3ハロンより4ハロンを比較することのほうが大切。
- ここでエピファネイアの新馬戦の4ハロンを見てみると、
- 12.6 - 11.6 - 11.3 - 11.1(秒)である。
- このラップタイムのスゴいところは、
- ゴールに近づくにつれてスピードが加速している点だ。
- 距離やペース、馬場コンディションにもよるけれども、
- 2000m前後のレースであれば、
- ほぼ間違いなく最後の200mはタイムが落ちる。
- よほど能力の高い馬じゃないと出せないタイムと言えるだろう。
- エピファネイアはデビュー2戦目の京都2歳Sにおいても、
- 12.0 - 11.6 - 11.2 - 11.2
- と凄まじい末脚を繰り出した。
- で、4着に負けた弥生賞の4ハロンのタイムは
- 11.7 - 11.6 - 11.4 - 12.2
- がレース自体のラップであり、
- 3〜4コーナーから逃げた馬と並走していたエピファネイア自身は、
- 11.8-11.6-11.2-12.3(推定)くらいで走破しているだろう。
- (僕は4ハロンを全て11秒台で上がって来る馬に“怪物”の評価を与えるww)
- 休み明け、
- 初の関東遠征、
- 騎手の乗り代わり、
- 大外枠、
- などを考慮すれば、
- 最後の1ハロンは脚が止まったけれども、
- 決して悲観するような内容じゃ〜なかった。
- 熱くなりやすい性格の持ち主で、
- いつもレースではイライラしているのだが、
- 不運にもこれまで戦った4戦は全て「超」の付くスローペースで、
- かなりフラストレーションが溜まるレース展開であった。
- それでも3勝してしまうのだから、
- やはり能力は疑う余地はない。
- 皐月賞本番は、
- アーリントンCを逃げ切って参戦してくるコパノリチャードや、
- 人気最右翼のロゴタイプが先行集団を形成するはずだから、
- 極端にスローペースになることは考えにくく、
- 前半の1000mは59〜60秒くらいになると想定でき、
- エピファネイアにとっては、
- デビュー以来、最もレースのしやすい流れになると思う。
- 逆に例えばメイケイペガスターあたりが暴走して、
- 58秒台になると、
- これまでスローペースしか経験していないがゆえに、
- ペースに戸惑う可能性は捨てきれないが、
- それを考えはじめると、
- 完全に泥沼にハマるので。
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- 他にも気になる馬はたくさんいて、
- 非常に悩ましいんだけれども、
- 敢えて3頭目を挙げるならば、
- メイケイペガスターだろう。
- 僕が上で「暴走する可能性のある馬」として紹介したメイケイペガスター。
- 1番人気だった若葉Sで暴走し、
- 1.1秒離された9着に敗れ、株が一気に暴落した。
- 僕がよく言う「バカ馬」の典型。
- 能力は極めて高いにもかかわらず、
- 自身をコントロールできずにちぐはぐなレースしかできない馬。
- そんなメイケイペガスターが
- 唯一“マジメ”に走ったのが共同通信杯である。
- これまでの追い込み一辺倒の脚質から、
- 調教師も驚いたという2番手付から直線あっさり抜け出し、
- 完勝したレース。
- そういう側面を引き出した横山典は賞賛されるべきだが、
- 要するにこのようなレースさえできれば、
- 世代屈指の性能の持ち主であることは間違いない。
- この共同通信杯は前半の1000mが60.2秒の平均ペースで流れ、
- 上がりの4ハロンが
- 11.8 - 11.3 - 11.2 - 11.5
- である。
- ???
- 僕はさっきこんなふうに書いた、、、
- 「4ハロンを全て11秒台で上がって来る馬に“怪物”の評価を与えるww」
- と。
- 確かに共同通信杯が行われた2月10日の馬場コンディションは、
- 準OPの雲雀S(1400m)で1:20.7秒
- という速いタイムが出ているように、
- 相当良い状態であったと言える。
- しかしながら、過去20年の共同通信杯を思い返してみても、
- メイケイペガスターが叩き出した1:46.0というタイムは、
- 傑出している。
- (これまでのレースレコードは09年のブライクランアウトの1:47.3秒。)
- それぐらいこのレースにおける彼の走りは凄味があった。
- 皐月賞には現段階で21頭が登録している。
- その中で上がりの4ハロンを全て11秒台で走破した馬は、
- このメイケイペガスターのみ。
- 制御不能になる危険性は言われるまでもなく十分に理解しているが、
- もし彼が“マジメ”に走れたら、
- 他馬を蹴散らす能力があることは疑いようがなく、
- 配当的妙味を含めて、見逃すことはできない存在であろう。
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- 今のところは以上。