:中京記念に係る覚書



 過去10年で逃げ切りを成功させたのは、04年のメイショウキオウと03年のタガノマイバッハだけ。小回りの開幕週にも関わらず、中京2000mで逃げ切るのはなかなか難しい。熾烈な先行争いは、2ハロン目に10秒台のラップを刻むことがままある。昨年は4角先頭のローゼンクロイツ、一昨年はコンゴウリキシオー、あるいはキングフィデリアあたりの逃げ、先行馬が人気をしたが、裏切る形になっている。



 今年も強力な先行馬が勢揃いした印象。京都記念で粘り腰を見せたヴィクトリー。1400mでも先行できるレッツゴーキリシマ。2番手付けから抜け出しをはかるマンハッタンスカイノットアローンやバトルバニヤン、あるいはドリームフライトも場合によっては前々で競馬をするタイプの馬だ。楽に先行するレッツゴーにヴィクトリーが絡んでいくと、例年のように後ろから行く馬の決着になる可能性が高い。



 金曜から土曜は雨予報で、近年続いている極端な高速決着にはならないだろう。ただ、例えば稍重の「わりに」速くなる可能性はある。ベンチャーナインを狙い撃つ。菊花賞ステイヤーズSダイヤモンドSと長距離街道をひた走ってきたベンチャーナインだが、本質は中距離馬だと思う。ここで本命視されているヤマニンキングリーをあっさり退けたプリンシパルSのパフォーマンスはなかなか強烈だった。近走ではここが一番条件合う。差し切りまで期待。



 大敗はちょっと考えにくい○ヤマニンキングリー。状態面が平行線なら当然勝ち負けになるだろう。もう一度▲スウィフトカレント。激走するんだったら今回をおいて他にない。芝のレースで56キロで出るのも久しぶり。中京2000mは金鯱賞2着。若いころは高速決着も望むところだったが、今それを求めるのは酷。極端に馬場が悪くなったら再考するが、稍重までだったらあるんじゃないか?2桁着順が続いているが、タイム差を着実に縮めている△ホッコーソレソレー、左周りで見直せる△フサイチアソートまで。