:結 〜競馬の神に出会うべく〜




最も下等な人間になり切ったことを自覚した瞬間に人間は神にもなれるのだ。 武者小路実篤『幸福者

指名を断念、もしくは自重した馬たち

 上記のエクセルサスが56シチー氏と重複した件で、残りの1頭を選ぶのに、これまた堂々巡りを繰り返した。おおまかなパターンは2種類あり、1.信念を貫いて、リストの11番目に用意していた馬を選ぶパターン。2.なぜか余っている料血、もしくは高額馬を選ぶパターンがあると思う。で、結局後者を選び、スカーレットレディ(父キングカメハメハ)にした。昨日ヘタレ(id:popeye128)と電話で話をして、他にもまだまだ魅力的な馬がいる。以下は、小生の「指名したいリスト」には載ったが、残念ながら、指名に至らなかった馬を載せておく。


スペシャルウィーク×ヘルスウォール

 例えば、母ヘルスウォール(父スペシャティーク)の産駒で、NZT3歳Sで3着に入ったアサクサダンディの妹がいる。もともと、アサクサダンディは順調ならば重賞の1つや2つは勝てたと評価されていた素質馬で、まさしく悲運の死であった。そういった意味で、スペシャルウィークの仔は大変魅力的だけれど、厩舎や馬主が現段階では不明である点、小生の賓馬の枠は2頭までと設定してあるので、今回は断腸の思いで見送る。



スペシャルウィーク×シェーンクライト

 もう1頭、シェーンヴァルトの下(父スペシャルウィーク)も候補に挙がった1頭だった。おそらく、牡馬クラシック戦線において、シャーンヴァルトは最も安定した成績を残したと言えるだろう(ちなみに、シェーンヴァルトは小生のダービー本命馬だよww)。単純の皐月賞とダービーの着順を足すと、4着+6着=10となり、皐月賞で二桁着順だった、ロジユニヴァースリーチザクラウン、ダービー二桁着順だったアンライバルドよりも、また、皐月賞8着、ダービー4着のナカヤマパラダイス、皐月賞9着、ダービー3着のアントニオバローズよりも、春のクラシックに於いては、まさに「善戦」した。特に、今年の牡馬クラシックは皐月賞とダービーが全く異なる条件下で行われ、両方のレースで良績を残すことが極めて困難であった。したがって、シェーンヴァルトの能力は世代屈指と言えるだろう。もっとも、毎回盲点トイウカ無視され、人気はほとんどないけれどもww そのシャーンヴァルトの下はやはり注目であった。ただ、この馬もハイリスクの懸念を排除できない。まず、単純に遅生まれであること。果たして、遅くまれ、例えば6月過ぎに誕生した馬がPO期間中においてどのくらいの成績なのか、逐一統計をとっているわけではないからわからないが、遅生まれであることはプッシュする材料にはならない。また、気性面での不安も残る。というのも、シェーンヴァルトシャドーロールを着用しているにも関わらず、フォームが高く、且つ、折り合いに苦労しているからだ。牡馬だったらある程度の気性難は許容できるが、これもまた牝馬であるから、力強く推す材料ではない。先にも述べたように、牝馬は2頭までww


スペシャルウィーク×グロリアスバラッド

 最後に、以前指名したことのあるエアドミンゴに下で父スペシャルウィーク、母グロリアスバラッドというのも候補に挙がった。母系の血統背景が素晴らしく、追ってみたいという気はある。藤原牧場は嘗て、ウイニングチケットロイヤルタッチサクラスターオーサクラユタカオーなど数多くの名馬を排出してきた名門だ。ただ、この兄弟はどうしても体質的に軟弱なところがあり、デビューが遅れる。また、馬名、厩舎、馬主も現段階ではわかっておらず、未出走というリスクが伴う。大物を輩出する可能性は秘めているとは思うが、メリット/デメリットの比重を考えた場合、やはりデメリットが大きく、これまた血を吐く思いで見送る。


 さて、一方の高額(良地)馬の中ではエアグルーヴ(父キングカメハメハ)が残っているのには驚いた。一般的には1巡目候補に挙がる馬だしねぇ。小生は毎年ドラフトに参加していないから、その場の雰囲気はよくわからないが、毎年指名しているカメハメハ厩舎が自重した結果、誰も指名しなかったのか?あるいは、ポルトフィーノフォゲッタブルの走りを見て、繁殖牝馬としてのエアグルーヴに限界を見たのか?そのあたりは推測の域を出ないが、確かに産駒は性能の高さを感じる部分はあるけれども、「非力」って印象が強い。まあ、これもファレノプシス同様、サンデーサイレンス、もしくはSS直系種牡馬ばかり相手にしてきたから、キングカメハメハで変わってほしいという期待はあるけれども。今回は「見」だな。



高額馬の面々

 それから、毎回高額馬を送り込んでいる、ヴェイルオブアヴァロン、ローザロバータも指名がなかった。ヴェイルオブアヴァロンに関しては、毎年「なんでこんなに高いねん」と感じるほど高額だ、繁殖実績ないのにね。まあ、ディープインパクトの近親ってだけで、十分「インパクト」はあるけれども、小生が思うに、この馬の子供が悉く大成しないのは、BMSのサンダーガルチの影響があるんじゃないかと思っている。このファミリーはディープインパクトに象徴されるように、体躯の線が細く、だいたい牡馬で440〜460キロくらいと小柄である。昨年藤澤厩舎からデビューしたガンズオブアヴァロン(父スペシャルウィーク)もそう。サンダーガルチは本馬がそうであったように、生粋のダート血統である。ガルチだと日本ではイーグルカフェが代表産駒ってことになるけど、トータルで振り返ると、芝よりダートのほうが向いていたと思う。線が細い傾向のファミリーにダート色が色濃く出るのは、何とも不幸である。いっそのこと、ヴァイルオブアヴァロンにはアジェディケーティングやフォーティナイナー、サンデー系統ならバブルガムフェロー等のダート色の強い種牡馬と配合し、ダートに特価した馬作りをしたほうがいいんじゃなかろうか?でないと、いつまで経っても芝でもダートでも中途半端な馬しか生まれない。今年もアグネスタキオンの仔であり、やはり馬格のないタイプらしいので、ここは見送りたい。ローザロバータの仔は非常に情報が少ない。昨年の06年生の馬も、結局名無しの状態のまあ、放置されている。16000万とか、10000万超の馬が行方不明って、呪われた血統としかいいようがない。特筆すべき活躍馬、つまりG1級の馬がいないにも関わらず、現役時代の成績と血統背景から毎年高値をつける繁殖牝馬っているでしょ?最近だとこのローザロバータ。少し前だとガゼルロワイヤル、オーピーキャット、フランクアーギュメント、セトフローリアン2、ファンジカ、ロッタレース、カーリング、パンパードスター、アドマイス、ファデッタ、等々が思い浮かぶ。これらの馬の仔を指名して酷い目に遭った人も少なくなかろう。不透明な部分があり、今回も見送り。



藤澤和雄のローテーションが気になり過ぎて......

 高額馬では他に、ゴルトブリッツ(父スペシャルウィーク、母レディブロンド)が残っている。可能性で言うなら、同じファミリーのヴェイルオブアヴァロンより、こちらの方が上だと思う。母親自身が競走馬として相当高い能力を示したこと、BMSが日本の馬場へ高い適性を示したシーキングザゴールドであること等を加味すれば、本馬が大物である可能性は十二分。これだけの馬がグループ内で指名されなかったのは、母レディブロンドのように、PO期間中に全く使われないのではという懸念材料が充満しているからだと思う。いろいろ言われている藤澤だけれども、間違えなくトップトレーナーだ。レディブロンドの使い方にしても、あれが彼女にとって最良のレース選択だったとも思っている。しかしながら、POの観点からすれば、かなりリスキーである。一方で、キャロットクラブの所属馬であるから、オーナーサイドより早期デビュー、もしくはクラシックに間に合うようなレース選択の要請があるかもしれない。それを飲むことができるか藤澤、また、調教師の信念として突っ撥ねるか、藤澤。まあ、レディブロンド自身クラブホースやねんけどww


嗚呼、島川よ、

 トーセンの島川は、もう競馬を辞めたほうがいいんじゃないか?(笑 ここまで走らないのは、愛馬眼云々というよりも、呪われているか、日頃の行いが余程悪いか、そういった部分で「競馬の神」にそっぽを向かれているに違いない。小生はそう思う。走らなかった馬は数知れないが、例えば、トーセンキャプテントーセンジョーダンあたりは怪我さえなければ、クラシックで勝ち負け出来た能力を持っていたはずだ。それが2月とか3月の段階でドロップアウト。今年もセレクトセール近藤利一と並んで買いに買いまくり、高額馬も多数。デアリングハートの下は、冠名が「トーセン」じゃなければ、喜んで獲得していたものを……。それから、トーセンキャプテンの下、つまり、母親がサンデーピクニックもまた、血統的には非常に魅力的だが、やはり「トーセン」の名が邪魔をする。競馬は「競馬の神」に愛されない限り、タイトルは獲れない、、、と思う。馬券もねww 


 ――競馬の神に出会うべく――