:本日の1枚



 小生はネクラな性格らしく、写真を撮ることを趣味のひとつとしている。これもマスターベーションに近い、いわば自己満足ではあるのだけれど。撮ることと同様に、写真機自体にも興味も持っており、小市民の予算の許される範囲内で、少し変なカメラの収集もしている。


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 「Kodak ELITECHROME ExtraColor 100」  50mm/F1.4 愛知県豊田市



 小生にとって、ありとあらゆるものが撮影の対象であるものの、多くの人がそうであるように、猫は最も興味のある被写体のひとつである。小生の論考「アリスのカメラを求めて――銀塩最終世代の私風景*1でも触れたように、我々の世代はアナログとデジタルの双方を経験した世代であり、同時にアナログの概念を感覚的に理解できる、最後の世代であると小生は考えている。デジカメについての将来の展望や限界については、今なお論争の渦中にあり、ここでは触れないが、ただ、ひとつだけ言えることは、誰でもそれ相応に、いわゆる「キレイ」な写真を撮ることの出来るデジカメはアナログカメラよりも、よりダイレクト、そして残酷なまでに撮影者のセンスが露骨に顕れてしまうものだと小生は考えている。同じようなことは、テクノポップのパイオニアであるYMOのメンバー、高橋幸宏も言っていた*2




 小生はフィルム:デジカメ=9:1くらいでやっている、いや、やっていた。デジカメはいつもバッグの中に入れてあり、いつでも取り出せるようにしていたのだ。ただ、これがとてつもなく面白くない。それで嫌になり、今は100%フィルムを使っている。とはいうものの、いつも一眼レフを持ち歩くわけには行かないし、フィルムと言っても、一般のネガティヴフィルムではなく、ポジティヴフィルムを採用しているため、ランニングコストが馬鹿にならない。そこで、1960年くらいに爆発的にヒットした「ハーフサイズカメラ」を使っている。1コマを2つに分割するので、24枚撮りなら48枚、36枚撮りなら72枚まで撮影が可能*3。ポジ(スライド)は露出が難しく、失敗する確率は飛躍的に上昇するが、写真は失敗を含めて楽しむものだと考えているから、ほとんど気にならない。原付で信号待ちしている時など、横断歩道をわたる歩行者を撮影したりもする。それぐらい小回りが利くのが、ハーフサイズカメラなのであります。