:天皇賞に係る覚書



 スリーロールスもないが、フォゲッタブルはもっとない。


 さて、天皇賞。現段階で強烈にプッシュしたいのはエアシェイディだ。昨年はウォッカから0.1秒差の5着。4コーナーで進路を外に取らなかったら、2着まであった内容だった。伊藤正の「(7歳にして)ようやくウォッカの背中が見えてきた」というコメントが忘れられない。そのシェイディ、今年はこの天皇賞だけに照準を合わせる、独特のローテーションを組んで来た。普通、「○○を狙って」とは言っても、前哨戦や他のG1も使うところである。しかし、シェイディ陣営は年が明けてAJCCを使う時に「今年の目標は天皇賞」と10ヶ月も前から最大の目標を定め、安田記念にも宝塚記念にも出走させなかった。そして、秋は中2週になる毎日王冠、実績のある右回りのオールカマーをも使わずに、新潟記念(01秒差4着)を選択。ここには明確な意図があって、既にシェイディは年齢的に上積みは見込めず、レースを使うこと=消耗するから、極力レースは使いたくない。レース間隔が狭まると体重が減ることが懸念されるので、間隔を明けたい。けれども、中山記念からのぶっつけは無謀すぎる。という考えからだろう。そして、天皇賞から逆算し、もっとも良い選択が新潟記念だった。これだけの実績があれば札幌記念も当然選択肢に入ってくるが、洋芝の小回りは東京コースとは勝手が違い過ぎ、前哨戦としては適していないという判断からだろう。小生もそう思う。したがって、シェイディにとっても陣営にとっても、ここが最後のチャンスになるということは重々承知しているはずだし、チャンスがここにしかないということも承知しているはずだ。その心意気に敬意を表したい。差し込みが利いているし、この土日と時計もかかるようになってきた。これもシェイディ最後に晴れ舞台に我々は大いに注目すべきだろう。