:ニューイヤーSに係る覚書



 牝馬が3頭参戦し、全て暮れのターコイズSに使っている。

 ニューイヤーSとターコイズSは距離もコースも同じだから、好走すると人気を集めることになるだろうが、あまり信頼おけない。牝馬においては惨敗してもいいから牡馬とやって来た馬のほうに分がある。ここで言うなら、上位入線のカレイジャスミンハートオブクィーンを消す。先行有利な流れで雪崩れ込んだ印象が強い。



さて、ニューイヤーSに重要となるステップレースにファイナルSがある。昨年はターコイズSと勝ちタイムが同じだったが、馬場差を考えれば明らかにこちらの方がレベルが上だった。

  • ホッカイカンティ:2着
  • イクスキューズ:10着(+0.7秒)
  • ダンスフォーウィン:13着(+0.8秒)
  • ミュージックホーク:15着(+1.0秒)

 ただし、ファイナルSがハンデ戦だったのに対し、今回は別定戦。それぞれの斤量は以下のように変わる。

  • ホッカイカンティ:53キロ→54キロ
  • イクスキューズ:54キロ→54キロ
  • ダンスフォーウィン:54キロ→56キロ
  • ミュージックホーク:50キロ→56キロ

 ダンスフォーウィンとミュージックホークにとってはかなり過酷な条件であることがわかる。よって、この2頭は全く要らない。一方で、ファイナルSで好走をした馬は、ここでも安定した成績を残している。マヤノライジン(5着→2着)、ロードマジェスティ(5着→1着)、ミッドタウン(2着→1着)など。そこで人気になるだろうが、ホッカイカンティは外せない。この馬のマイル適性はニュージーランドTのときにかなり高いものを感じたが、秋2走はその能力を証明してみせた。馬場がよかったとは言え、休み明け+20キロの準OPをあっさりクリアしてしまうあたりは非凡だ。今の中山の馬場も合う。



 更に前走に重賞を使った馬は、惨敗しても見限れない。昨年のマルカシェンクは能力で2枚も3枚も抜けた存在だったが、他にもメテオバースト福島記念10着)、マイネアイル阪神牝馬S5着)あたりが連まで来た。

 前走、重賞を使ったのは以上の5頭である。どれもいい負けっぷりというか、ちょうどいい感じに負けている。その中でまずダブルティンパニーを消したい。新潟や東京のマイル戦だったら買ってみたいが、マイルは05年9月以来。しかもそのレースは1番人気で9着に破れ、以降2000m〜2400mで良績を挙げてきた。トリッキーな中山マイルで即結果を求めるのは酷。小回りコースの成績がイマイチなのも気にかかる。



 一方で、スプリント戦線からマイル戦初挑戦になるマヤノツルギは非常に扱いが難しい。スプリントの重賞を勝てる能力があると思う。前走の阪神Cでも1400mは初で、最後まで抵抗してみせた。1キロ減のここは、スピードに任せて押し切るシーンも想像できる。あるいは、最後バテて馬券圏外へ沈むこともまた想像できる。少し横に置いておく。



 マイネルポライトは若い頃2000mを超えるレースでもいいレースをしていたが、5勝のうち3勝がマイル戦である。休み明け3走は凡走が続いているが、昨年の春はマイラーズCで0.3秒差の6着、一昨年の中日新聞杯でも0,2秒差の5着と、重賞にあと一歩のところまでの走りを展開した。そろそろ変わってこないか?



 不気味なのはショウワモダンだ。鳴尾記念は超ハイペースになり、2ハロン目は10.4秒で、阪神Cよりも早かった(10.7秒)。1000m通過は、さすがに阪神Cのほうが速かったが、それでも58.1秒。先行馬総崩れも致し方あるまい。中山マイルは大崩なく[1.1.0.2]で、着外の2回もニュージーランドT(+0.4秒)、ダービー卿チャレンジT(0.3秒)と、威張れるだけの成績を残している。穴ならこの馬。フサイチアソートも復調の兆しがあるものの、この馬に関してはどういう時に走るのか、また能力がどのぐらいなのかさっぱりわからないので、やめておく。