:ナリタタイシンの進路を探せ
神秘的な説明。――神秘的な説明は深遠だとされている。だが実際のところ、そうした説明はまだ表面的だとさえも言いかねるものだ。 ニーチェ『悦ばしき知識』126
- 過去20年の皐月賞において、
- 4角10番手以降で勝った馬は93年のナリタタイシンしかいない。
- ディープインパクトも、テイエムオペラオーも、イシノサンデーも、
- 4角ではそれなりの位置にいたのだ。
- 今日は、そのナリタタイシンの皐月賞を具に検証していこうというもの。
- 暇人の真骨頂である。
- 表題にもあるように、皐月賞におけるナリタタイシンの進路は、謎であった。
- というのも、カメラはビワハヤヒデとウイニングチケット、
- 特に後者を追っかけまわしており、ナリタタイシンの急追は想定していなかったからだ。
- 小生は、「武豊にしか(進路は)わからない」と言ってきたけれども、
- youtubeを観ている中で、別アングルからの映像に遭遇するに至り、
- 今回のエントリに記す次第。
- 業界のことはよくわからないが、同じフジ系列でも2つのパターンがあるようだ。
バージョン1
- 以下は、これまで小生が見てきたVTR。
- ↑4角手前、馬ゴミの後ろでじっとしているタイシン。
- ↑直線に入り、前の馬が壁になったままである。
- ↑画面は切り替わり、先頭のアンバーライオンを捉える。
- ↑やや外へ出すも、ゴールシーンを知る人間なら、違和感を覚える。
- つまり、もっと外を通ってやってきたイメージがあるだろう。
- ↑画面は圧倒的人気のウイニングチケットを4秒近く追いかける。
- ↑引きの映像になった時、すでにタイシンはウイニングを捉え、ビワハヤヒデをも射程圏に入れる。
- ↑ユタカマジックが炸裂し、「大外一気」をかました。
- このバージョン1の映像は、ウイニングチケットを追っている間に、
- ナリタタイシンの猛追を捉えられなかった。
- 「その時」「何」が「あった」のか、我々は知ることができない。
バージョン2
- ↑4角手前。バージョン1と同様。
- ↑直線。これまたバージョン1と一緒(当たり前だけどww)。
- ↑先頭を走るのアンバーライオンのアップ。
- ↑バージョン1と同様だが、解像度が高いため見やすい。すでに進路は確保しているように見える。でも、実際はもっと外からやってくる。
- ↑隣を走っていた、ガレオン(杉浦)がタイシンに方向へ一気に斜行してくる。
- ↑大きく振られたタイシンの位置取りは、残り150mで絶望的となる。
- ↑前の勝負と判断したカメラは、ビワハヤヒデとウイニングチケットを捉える。
- ↑だが、画面が切り替わった時、タイシンは抜群のキレを発揮していた。
- ↑歓喜のゴール。
- 3着入線(8着降着)のガレオンが、この皐月賞史上、屈指の追い込みをお膳立てした形である。
- こういってはアレだが、もっと楽に勝てたレースを、ファインプレーに見せたとでも言おうか。
- ただし、あれだけの不利を受けたにも関わらず、即座に立て直し、差し切るのだから、
- ナリタタイシンの能力は紛れもなく高かったし、
- ガレオンもまた同様であった。