:指名馬一覧及び所感――「夢のビッグバンコラボ」編――
1.○父新レディパステルの08/牡/青鹿毛/2008.04.24/栗東/角居勝彦
- 敬意を込めてディープインパクト産駒を1位でチョイス。
- 母の産駒は今のところ2勝どまりだが、ディープインパクトでそろそろ変わって来ないか?
- 兄弟、すなわち、ロードバロック、ロードロックスター、レディハピネスは、
- ロードホースクラブの所有馬としてデビューしたが、本馬はラッキーフィールドの持ち馬。
- 馬主から変わり「確変」モードに入るには、過去幾多の名馬が示してきた。
- ラッキーフィールド、つまり「エア」の愛馬眼は確かなものがある。
- そして、今年はこの「エア」の吉原毎文氏の動きが非常に不気味だ。
- 関口房朗の凋落後のセレクトレールは、
- 金子真人HD、近藤利一、島川隆哉を三羽烏とし、
- グローブエクワインマネージメントの多田信尊、ダノックスの野田順弘が高額取引を成立させている。
- 少数精鋭の庭先取引を主にしてきた吉原毎文氏は、セレクトセールに参戦はするものの、
- 2,000万〜3000万の馬をせいぜい1〜2頭という程度であった。
- 例えば、07年生まれの当歳馬では、
- ファルブラヴの産駒を2,900万、デュランダルの産駒を2,000万、
- 05年生まれの1歳馬では、アグネウワールドの仔を3,000万、
- 04年生まれの当歳馬ではフジキセキ産駒を4,100万、グラスワンダー産駒を2,750万で落としている。
- その中から高額順リストには載っていなかったエアパスカル(05年当歳馬で2,900万)が
- チューリップ賞に勝ったのは記憶に新しいところ。
- つまり、例年上記価格帯で取引している吉原毎文氏が
- 7,200万円出しても欲しかった馬がこのレディパステルの08である。
- また、伊藤正徳や森秀行、あるいは藤原英昭ではなく、
- 角居勝彦に託すというのも今まで例がない。
- 「エア」×「角居」という「夢のビッグバンコラボ」にも期待したい。
- 小生は同じディープ産駒のエアデジャヴーより、こちらを上と見た。
- ブラッシンググルーム系は欧州競馬のみならず、
- 日本においてもテイエムオペラオーやマヤノトップガンというチャンピョンホースを輩出。
- レディパステルを含め、スピード競馬主体の日本競馬にあって、
- いわゆる欧州特有のパワーを持ち込み、成功したブラッシンググルーム。
- ややどっちつかずの感を否めなかったロックオブジブラルタルから
- 「日本近代競馬の結晶」ディープインパクトに変わり、
- ディープインパクト×トニービン×ブラッシンググルームという、
- 日本と欧州を横断する、まさに「夢のビッグバンコラボ」を実現。
- 本馬が府中の2400mを走らずにして、どこを走ればよいのか??
- アサクサキングス、ヴィクトワールピサでお預けのダービー制覇をこの馬に垣間見た。
2.○父新プレミアムテースト/牡/青毛/2008.03.01/栗東/堀宣行
まずは立ち姿をご覧ください。その印象が全てと言える好馬体を有し、バランスの良さは無論のこと、特筆すべきは父譲りの柔軟な筋肉です。そこから繰り出される走りとターンの際の身のこなしは優雅ささえ感じます。乾燥して狂いのない脚元、皮膚の張りやしっかりとした腹袋を見れば健康面での心配は皆無です。適度に自己主張が強く、学習能力も高いためスタッフの手を煩わせることはありません。人気のある母とこれがファーストクロップとなる父の産駒だけに否応なくプレッシャーがかかりますが、それを跳ね返し、父を名種牡馬へと導く存在になってくれると期待しています。
- 日本競馬が大いに反省しなくてはならないひとつとして、
- 欧州の名馬を、種牡馬として金に物を言わせて輸入し、失敗を繰り返したことだ。
- ラムタラを挙げるまでもなく、エリシオ、ジェネラス、ドリームウェルなど。
- 近年輸入したアルカセットやファルブラヴ、マリエンバードもこのままでは危ない。
- 小生が贔屓にしているホワイトマズルもまた、もっと活躍馬を出してよかったはずだ。
- コマンダーインチーフやアサティスはバリバリのクラシックディスタンスホースであり、
- 地方に活路を見出せたのは不幸中の幸いか?
- いや、小生は「不幸中の不幸」だと思う。
- もっと適性を研究するべきであったし、
- 日本競馬に適性がないと判断したら、ヨーロッパで種牡馬生活を送らせてあげるべきだった。
- そんな傍若無人の限りを尽くした日本生産界でしなくてはならない、
- ある種の“償い”は、それらの馬たちの血脈を断絶させないことだ。
- それにはブルードメアサイヤーとして超大物の出現を後押しするしかない。
- このプレミアムテーストの母の父カーネギーもまた日本生産界の被害者だ。
- カーネギー産駒は、青葉賞に勝ち、2歳の段階でダービー候補とまで呼ばれたカーネギーダイアンや
- ホオキパウェーブ(オールカマー、菊花賞2着)くらいしか思い浮かばない。
- サドラーズウェルズの直仔が悉くそうであるように、
- カーネギーもまた日本競馬に対応できなかった。
- しかしながら、カーネギーの血統は父サドラーズウェルズ、母が凱旋門賞馬デトロワという超良血馬。
- 先般、シーザスターズが母アンバーシーと母仔凱旋門賞制覇をしたのは記憶に新しいが、
- その嚆矢はカーネギーとデトロワであった。
- カーネギーの母の父リヴァーマンはデトロワの他に、
- ウォッカのブルードメアサイヤー、ルション、
- ナリタタイシンの父でお馴染みのリヴリア、
- 富士Sで鬼脚を披露したトリプティックなど、欧州のみならず日本でもその血統は根付いている。
- すなわち、カーネギーは欧州競馬というよりも、世界の競馬史に燦然と輝く血脈なのだ。
- その血脈を背負った日本の責務として、
- 何としてもブルードメアサイヤーとして彼にビッグタイトルをもたらすべきだ。
- 枕が長くなったが、その可能性を秘めたのが、このプレミアムテーストである。
- カーネギーの産駒は前出のカーネギーダイアン、ホオキパウェーブともに、
- 小生の好きなタイプの体型をした馬だった。品があるというか。
- 同様に、母ジャッキーテーストもいい馬だったと記憶している。
- 日経新春杯(7着)の時のことだ。
- 本馬はその初仔。
- 近親にジャパンカップ5着のマックスジーンがいる。
- あのエルコンドルパサーが勝った時のJC。
- ディープインパクトに欧州競馬屈指の名血との「夢のビッグバンコラボ」が実現した。
- サンデーレーシングの5,000万という募集価格からも期待の高さを窺わせる。
- 厩舎は関東の堀。
- 関東で今信頼おけるのは、藤沢和、国枝栄、二ノ宮敬宇、そしてこの堀くらいだ。
- キンシャサノキセキ、ジャガーメイルでG1勝ちをおさめ、
- 完全に軌道に乗った印象。
- クラシックにもアリゼオを送り込んだ。
- この馬がダービーのゲートに入っていないことを想像することのほうが難しい。
3.アンバーシェード/牡/黒鹿毛/2008.02.22/栗東/石坂正
馬体の素晴らしさに見初められて繁殖牝馬として導入した母は、早速期待どおりクラシックで活躍する姉を送り出してくれています。本馬は雄大な馬格に恵まれ、1歳馬であることを一瞬忘れさせるほど大人びた雰囲気を持ち合わせています。狂いなく伸びた四肢と、ほど良い角度で可動域が広そうな肩のつくりは、前方によく伸びる大きなストライドで、ゆったりと走りながらもスピードを長く持続させることを可能にし、きれいに伸びた首差しや長めの背中も、そのスタミナ能力を引き出す強い味方です。秋の中距離芝レースからデビューさせ、姉同様クラシックを賑わす存在に成長させたいものです。
- 期待のシンボリクリスエス産駒からはこの馬をチョイス。
- まあ、馬っぷりいう点においては、目を通した写真の中でも屈指だった。
- もっとも、素人目線でいう「馬っぷり」であって、本当に良いかはわからないけどww
- 歴代の名牝に名を連ねるであろう、ブエナビスタ、レッドディザイアに食い下がったジェルミナル。
- 能力は疑いようもなく高かった。
- アグネスタキオンからシンボリクリスエスに変わり、
- 早熟気味だった姉よりも成長はやや遅くなるか!?
- 要はダービーに間に合えばいい。
- 血統を紐解いてみると、なかなか興味深い。
- 母オリブルリジェールは、フランス・サンクルー競馬場で行われるG3、
- ペネロープ賞の勝ち馬。
- 凱旋門賞に勝ち、第2回のJC2着だったオールアロングもこのレースから出世した。
- 最近では、アプレザンレーヴやレーヴドリアンの母としてPOでもすっかりお馴染みの、
- レーヴドスカーが2着。
- トーセンキャプテンの母、サンデーピクニックが3着と、
- 「名牝候補生の登竜門」として定着している。
- しかしながら、本馬の母の父Double Bedは我々にはほとんど馴染みがない。
- というのも、日本で競走馬登録された馬は0頭だからだ。
- ブルードメアサイヤーとしても、ジェルミナルと、その姉のプルームリジェールしかいない。
- つまり、Double Bedは日本競馬において、この兄弟の血統表にしか出てこないのだ。
- ではここでオリブルリジェール以外のDouble Bed産駒を探ってみると、意外な馬に遭遇した。
- それが99年の香港Cの勝ち馬Jim and Tonicだ。
- Jim and Tonicはフランス馬ながら、香港やドバイで高い適性を発揮し、
- 他に98年香港国際ボール、99年クイーンエリザベス2世C、01年のドバイDFに勝っている。
- そして、我々日本人にとって忘れられない、
- シーキングザパールのモーリスドゲスト賞で2着だったのが、このJim and Tonicなのだ。
- 1300m〜2000mまでのG1で残した実績と香港及びドバイでの適性から、
- ジェルミナルの活躍は当然だったのかもしれない。
- 同時に、アグネスタキオン×Double Bedでは、血統構成上、2400mはやや長い。
- オークスでジェルミナルが3着に来れたのは、スローペースの恩恵があったのかもしれない。
- したがって、シンボリクリスエス×Double Bedという配合でどこまでその弱点が補えるか、
- いやむしろ、これぞまさに「夢のビッグバンコラボ」だろう。
- クリスエス産駒が芝競走において、アリゼオやモンテクリスエス級では物足りない。
- 今年はクラシックに送り込めなかった石坂厩舎だが、
- ソリタリーキングの使い方を見て、そんなに頭は悪くないと思う。
- ちゃんとキングスエンブレムの反省を生かしているから。
- 一気に頂点へ。
4.○父デュアルスウォード/牡/黒鹿毛/2008.02.21/美浦/手塚貴久
スプリント色の強い母系に短距離王に2度輝いた父。重心の低いシルエットや詰まり気味の胴、前後にバランスよく配分された良質な筋肉を見れば、配合の狙いが見事に達成できたといっても過言ではありません。中サイズながら数字より大きく見せ、回転の速いピッチ走法は一瞬でトップギアに入り、他馬に影すら踏ませないスピードの持ち主です。厩舎ではおだやかで我慢強い優等生、放牧地では荒々しく駆けるやんちゃ坊主と、気持ちの使い分けのうまさからはただの一本調子な馬ではない奥深さを感じます。オールラウンダーよりスペシャリストを好まれる方にお薦めしたい1頭です。
- お馴染みというか、小生が兼ねてから贔屓にしているファミリー。
- 07年度におけるディオスクロイ(PO期間中3戦2勝)、翌年のティルガ(死亡)がいる。
- 「下は取らない」と断言していた小生も、さすがにこのファミリーを無視できなかった。
- スカーレット一族、バラ一族、ビワハイジ一族?と、
- ずば抜けて優秀なファミリーは当然フィーチャーされるけど、
- このディアブロズストーリーの仔はビッグタイトルには縁がなかったが、
- 確実に勝ち挙げる、いわば駄馬を出さない点で非常に優秀だ。
- 本馬の母ディアルストーリー(父エンドスイープ)は中央4勝、
- アドマイヤベッカム(父エンドスイープ)も中央4勝、
- シュアザストーリー(父コマンダーインチーフ)は中央1勝、
- 先述のディオスクロイ(父フォーティナイナー)は中央3勝、
- 残念なことにティルガは調教中の事故で安楽死処分されたが、
- 「たられば」が許されるなら、短距離ダートでの活躍は約束されていた。
- このディアブロズストーリーはどういった馬だったのか?
- 調べてみたものの、現役時代を示す資料はあまり見つからなかった。
- 日本にディアブロが輸入される前の、アメリカにおける代表馬ということだが、
- ナタルマS(G3:ナタルマとはノーザンダンサーの母のこと)が唯一の重賞だ。
- この牝馬を見初める眼はさすがは吉田一族というべきであろう。
- 本馬はデュアルストーリー2番目の仔。
- 長兄デュアルサクセス(父ダンスインザダーク)は現在中央1勝。まだまだこれからの馬。
- ただ、このファミリーは「短距離」「ダート」のエキスパートであるから、
- ダンスインザダークというのは、中途半端な配合に感じる。
- 徹底的にダートか短距離を追求してこそ、本領を発揮できる、そういう血脈だと思う。
- 本馬は父がデュランダルに変わり、一気に短距離への特化をはかった構えだ。
- ここでデュランダルについて記しておきたい。
- 昨年、種牡馬としてデビューしたデュランダルは、95頭の産駒に恵まれた。
- それが今年は30頭あまりと、一気に正念場を迎えた形だ。
- 誰も知るように、今年はディープ元年であり、同時にハーツクライもデビュー。
- サンデー系種牡馬が飽和状態にある中で、
- この2頭の種牡馬デビューは他のサンデー系種牡馬のパイを確実に食い漁った。
- 加えて、今年は既述したように、ジャンポケ、ギムレットが繁殖牝馬を揃えたから、
- 実績のない2年目のデュランダルにとって、想像以上に過酷な情勢である。
- 昨年はジュエルオブナイルが小倉の2歳チャンプとなり、
- 順調なスタートを切ったかに思われたが、それ以降が続かなかった。
- ニシノメイゲツも芙蓉S後はジリ貧傾向。
- OPクラスで走ったのは、この2頭だけにとどまった。
- 同じサンデー直仔のゼンノロブロイに大きく水をあけられた。
- 上記2頭はかなり早い時期から活躍したが、
- 競走馬としてのデュランダルを考慮した場合、
- あるいは、デュランダルの兄弟の戦績を眺めてみた場合、即結果を求めるのは気の毒な気がする。
- 今後、ジワジワとよくなってくる可能性はある、そういった血統だ。
- ただし、昨今の生産界は見限るのも早い。まさに試金石の2年目。
- この優秀な母系との「夢のビッグバンコラボ」で、覚醒するか?
- 小生は2勝はいただいたものだと確信している。
- しかしながら、同時にダート馬の活躍の場が、POG期間内においてないことも承知している。
- ディオスクロイの時もそうだったし、
- あるいは、ソリタリーキングもそうだった。
- 小生はこの馬に2勝以上、
- つまり、中央におけるOP特別及び地方交流重賞での「総なめ」をも射程に入れている。
- すなわち、2歳時は兵庫ジュニアグランプリ、北海道2歳優駿を、
- 3歳時には兵庫チャンピョンシップから最終目標であるユニコーンSまで、
- 今年で言うところのバーディバーディ以上の活躍、
- 更には、NHKマイルCの出走も想定している。
- 期待というか、空想は大きくなるばかりだ。
- 厩舎は関東の手塚。
- 関東で信頼できる厩舎として、藤沢和、国枝、二ノ宮、堀の名前を挙げ、
- 手塚はビッグタイトルに縁がないという意味において彼らより格下。
- ただし、短距離やダートに限定したら抜群の成績を残している。
- アイルラヴァゲイン、ブラックバースピン、グレイスティアラなど。
- グレイスティアラでは全日本2歳優駿や兵庫チャンピョンシップ(共に優勝)の実績があり、
- 地方の交流重賞の有効な使い方、ノウハウを持っている。
- そしてこのデュアブロズストーリーのファミリーのほとんどを手がけてきた。
- すなわち、ディアブロズストーリー×手塚は、
- まさに「夢のビッグバンコラボ」なのだ。
5.○父スマッシュスマイル/牡/栃栗毛/2008.05.23/栗東/長浜博之
生まれがやや遅く筋肉の付き方が十分でないため、骨格が透けて見えそうな馬体は、持って生まれた素晴らしい好素材を包み隠さず表現している結果となりました。狂いのない肢勢とややかぶり気味の膝、それに連携して上手く地面からの衝撃を吸収することが出来る柔らかい繋を持つ前肢は、脚元の疲れが出難い構造と言えます。しなりがあり後躯のバネの源となるほど良い角度の飛節も、ひと夏を越えて逞しく身に付けるであろう筋力に、見合う丈夫さを備えています。仏G1馬で種牡馬の兄、現在も活躍中の姉同様、2000m前後の芝レースで圧倒的なパフォーマンスを披露してくれるはずです。
- 研究当初は全く構想に入っていなかった本馬。
- なぜなら、遅生まれということもあるし、「あまりにPO的な」嫌いがあったため、
- 小生のポリシーに反するからだ。
- どなたかがチョイスしてくれれば、諦めもついた。
- しかし、こうして残っていると、どうしても気になってしまうため、
- 三振を覚悟で大振りしてみる。
- 父ゼンノロブロイもさることながら、
- 母スマラはチチカステナンゴの母として有名。
- サンデー系牝馬に配合させることを目的とし、社台が輸入したカロ系の種牡馬だ。
- スマラの子供たちは日本で4頭走っており、タキオン産駒のランペイアが中央4勝、
- シンボリクリスエス産駒のミッキーミラクルが中央3勝、
- その下のタキオン、クリスエス産駒が全く走ってないのが少し気になるところだが、
- 総じて日本の馬場への適性はあると判断できる。
- 本馬は兄弟で始めて長浜が手がける。
- 社台レースホース×長浜は好相性で、
- ファイングレイン、アンドゥオール、シックスセンス、リトルアマポーラ、スターバレリーナなどの重賞馬がいる。
- 社台―長浜ラインはまさに「夢のビッグバンコラボ」。
- 今年もゲシュタルトをクラシックに乗せてきた。
- レースの使い方にも好感が持て、遅生まれを鑑み、ダービーに間に合ってくれればいい。
6.ファンジカの08/牡/黒鹿毛/2008.01.30/栗東/大久保龍志
- 最初の段階でこんなミーハーな馬を取り気はなかった。
- これも余っていたらどうしようか、その取り扱いを考えようと感じだった。
- やっぱり走らないか?
- ただ、一時期の過大評価から正当な価格に落ちてきた。
- そろそろ走る馬が出てもいい。
- ファンジカにとって不遇だったのは、馬主運のない人にその子供たちが買われたこと。
- 島川、ダノックス、凋落寸前だった関口。
- 臼田が落としたファイトクラブは通産5勝したし、
- この血統最高傑作であるハイアーゲームも臼田。
- 要は馬主とその愛馬眼にかかっている。
- 02年生まれの子供は本馬と同じくアサクサの田原夫が25,000万で落札したが、
- 生涯獲得賞金は338万に終わった。
- しかし、アサクサは05年にデンエンが安田記念を、
- 07年にはキングスが菊花賞を制し、馬主としての負け組を脱出。
- 田原夫は死亡したが、田原妻がその遺志を継ぎ、本馬を5,900万で落札。
- 彼らにしてみれば安い買い物だ。
- 本馬はアサクサキングスと同様に、田原家と大久保龍志が再タッグ。
- すなわち「夢のビッグバンコラボ」。
- 今やネオユニヴァースはクラシックへの定石となった。
- ディープやハーツでデビューしても、2年間で築き上げてきた実績が違う。
- これもまた大振りでホームランを狙う。
7.○父新モスカートローザ/牝/鹿毛/2008.05.04/栗東/池江息子
身体能力の高さ、本馬の特徴はこれにつきると思います。走る速度に応じて、瞬時に四肢の回転を上げることができる強い繋と伸縮性に富み骨格の可動域を更に伸張させるような強靭な筋肉が高度な次元で調和され、そこから力強い跳躍力を生み出し「全身バネ」の颯爽とした走りを可能にしています。首から後躯にかけてのラインは一切のムダがなく、それでいて、胸前は幅・深さともにしっかりしていることから心肺機能の高さをうかがわせます。夜間放牧から帰ってきてもすぐに元気を取り戻す回復力も持ち合わせており、本馬の持つ類い稀なポテンシャルに自然と微笑んでしまいます。
- 牝馬は12頭選択制になった今年も2頭。
- その1頭がディープインパクト産駒の本馬だ。
- 阪神2回でデビューする早期組だ。
- そのデビュー戦でどこまでやれるか全くの未知だが、
- 殊牝馬に関しては、デビューすることさえ難しいから、既にデビュー日程が決まっているのはアドバンテージ。
- 体重が420キロ台と小柄みたいだけど、ディープの産駒で牝馬だったら、
- これぐらいが妥当なのかもしれない。
- ローザロバータの仔はセレクトレールで高額馬を連発し、お馴染みになった。
- 父Vindicationがダノックスに19,000万、
- 父キングカメハメハもまた、ダンックスに10,800万で落とされた。
- そして、寸分違わぬ「駄馬」だった。
- 期待値が高すぎるんだよ、実績がないのに。
- 本馬は社台オーナーズクラブの所属で、更には牝馬ということもあり、
- ディープ産駒とは言うものの、3,000万という妥当な募集価格になった。
- 個人所有からクラブ所属馬で激変はある。
- 母ローザロバータについて、少し研究してみようか。
- 95年のフロリダ産。現役時代はダートの重賞ピリコムディスタフH他を勝っている。
- その父、つまりモスカートローザのブルードメアサイヤーにあたるFire Makerは、
- 日本ではほとんど馴染みがない。
- というのも当然で、Fire Makerという名前はローザロバータとその子供たちの血統表にしか出てこない。
- G1で2着はあるものの、勝ち鞍はG2のウィザーズSにとどまっている。
- ただし、母系は日本競馬にも対応しており、
- 祖母May Day Eighty の姉妹に、皐月賞馬イシノサンデーの母ジェフォリーがいる。
- これまでフライングアップル(レッドゴット系)や、
- 先に挙げた、Vindication(ボールドルーラー系)、
- キングカメハメハ(ミスプロ系)と配合してきたわけだが、
- イシノサンデーという成功例を考慮すると、
- ローザロバータとサンデー系は「夢のビッグバンコラボ」だ。
- 例年2月の定年につき、転厩しなくてはならない池江パパの馬は取りづらく、
- 池江息子に託す。
- 最低目標は阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞の出走。
8.○外Er Novaの08/牝/鹿毛/2008.0202/美浦/藤沢和雄?
- 今年随一の秘密兵器。○外のSymboli Kris S産駒。
- 馬主から厩舎まで謎だらけの本馬だが、血統を鑑みれば市川―藤沢ラインだろう。
- 過去5年おける外国産馬の成績は32戦3勝という惨憺たるもの。
- 兼ねてから言っているように、外国種牡馬の現状を知らない。
- したがって、キングマンボやシーキングザゴールドなど、
- 日本における実績がある馬しか選びようがなかった。
- もはや外国産馬が「走る」ことは諦めていた。
- が、外国産馬としてのエルノヴァを見つけた時、今年はこれしかなかろうな、と。
- エルノヴァの血統は説明不要の超良血。
- 母シンコウエルメスは90年代欧州最強馬ジェネラス、オースミタイクーンの妹。
- 他にマチカネベニザクラがおり、
- この馬からはマチカネメニモミヨ、マチカネオーラ、ユノゾフィーらOP馬をはじめ、
- ほとんどの馬が勝ちあがり、息の長い活躍を示す優秀のファミリー。
- シンコウエルメスもまた期待されたが、アクシデントにより本来であれば安楽死処分されるところを、
- KAZU藤沢がその血統を残さんがため、4時間の麻酔手術を施し、奇跡的な回復を遂げた。
- その仔がエルノヴァ。
- 重賞のタイトルには結局縁がなかったが、ステイヤーズS2着、クイーンS2着、エリザベス女王杯3着という成績を残した。
- そのエルノヴァの仔である本馬に課せられたのは、ビッグタイトルの獲得。
- 消えかけたこの世界的名血を繁栄させること。
- 確かにデビューが遅れるリスクはある。
- 日本では少し重い血統構成かもしれない。
- だが、シンボリクリスエス×エルノヴァ×シンコウエルメス×藤沢和という、
- まさに「夢のビッグバンコラボ」が将来的に炸裂するに違いない、と小生は確信しておる。
9.○父新レッドシェリフ/牡馬/栗毛/2008.05.08/栗東/橋口弘次郎
- 改革が上手いこといった東京ホースレーシング。
- 無視できない勢力になりつつある。
- 例年、新種牡馬は1頭と決めているが、今年は事情が違う。
- ハーツクライもその1頭で、本格化してからの走りは世界でも屈指だった。
- サンデー×ノーザンテーストはダイワメジャー、デュランダルをはじめ、アドマイヤマックスなど
- 距離に限界があるという定説、つまり「シャクティパット」があった。
- それをを打ち破ったという点においてハーツはやはり偉大。
- まず1頭、このデルモニコキャットの仔をチョイスした。
- サンデー×ストームキャットはブラックタキシードやオースミダイドウがいる。
- サンデー以外ではファレノプシスやメイショウボーラー、レッドスパーダなど。
- 直仔は全く言ってよいほど日本競馬に馴染まなかったが、
- さすがはアメリカ最高の種牡馬、BMSとして日本に根を下ろした。
- 総じて仕上がりが速いのが特徴で、ハーツのやや遅い成長を促すことができるのではなかろうか?
- 母デルモニコキャットはハニーフォックスHなどアメリカのダートで良績を残したが、
- 産駒のセイタンズサーカス(父ゴーンウエスト)はアメリカンオークス2着。
- 芝への適性を示した。
- ハーツ×橋口の黄金ラインのまさに「夢のビッグバンコラボ」。
- 彼のダービーへの思い入れは他の誰よりも強い。
- ハーツ産駒でダービー制覇ってのは、橋口にとって最大にして最終の目標だろう。
10.○父新アーセナルゴール/牡/鹿毛/2008.02.06/栗東/橋口弘次郎
- もう一頭ハーツクライ産駒をチョイス。
- ハーツは種牡馬として成功するはずだが、その中で、どういった配合が合うのか、
- そこを見極めたいのが本馬をチョイスした狙いだ。
- つまり、レッドシェリフはストームキャットで言わばアメリカのダート血統。
- 一方、本馬はサドラーズウェルズの欧州芝血統。
- 対極の血統構成で、今後のハーツ産駒のサンプルとしたい。
- 母ファミリーバイブルは超良血としてデビューも、2戦1勝で引退。
- 全弟に現在中央5勝のミレニアムウイングがいる。
- また、姉ディボーステスティモニーの仔には、フサイチセブン(父フサイチペガサス)がいる。
- さらに、母系を紐解いてみると、ラーイ、グランドオペラ、シングスピール、デヴィルズバッグ、セイントバラード等、
- 競走馬としてだけではなく、種牡馬として活躍している錚錚たる面子。
- はっきり言って、日本にいるのが不思議なくらいの「超」良血だ。
- サドラーズウェルズ直仔が日本で活躍できないのは、これまた「定説」だが、
- そこはストームキャットと同じく大種牡馬。
- BMSとして、」ここ日本でも超大物を輩出してきた。
- エルコンドルパサー、フサイイコンコルド、シーザリオ、ヘヴンリーロマンス等。
- 馬主は母と同じ渡邊隆。
- この人の愛馬眼もまた、なかなか信頼がおける。
- というか、サドラーズウェルズへのこだわりを感じる。
- これまでほとんどの所有馬は美浦所属だったが、
- おそらくハーツ産駒ということで橋口に委託。
- ハーツクライを仲立ちとして実現した渡辺隆×橋口という「夢のビッグバンコラボ」に期待したい。
- 当然クラシックへ。
11.ベルシャザール/牡/青鹿毛/2008.04.25/栗東/松田国英
遅生まれながら、見栄えのする雄大な馬体に恵まれました。昨年募集の兄同様ゆったりとした胴構えで、背中から腰にかけての柔らかなラインとやや折りの深い飛節は、母方サンデー系の特徴を色濃く受け継いでいます。また角度のよい肩関節と、やや長めの美しい首差し、伸びやかな四肢とクッションのよさそうな繋は、しなやかで雄大なフットワークを生み出す強い味方となると同時に、距離の融通性の広さを示唆しています。マイル以上から長距離まで対応できる高い能力を備えていますので、じっくりと鍛えながら、この母系悲願のクラシック制覇を何としてでも目指したい1頭です。
- 1年目で図りかねていたキンカメの産駒の性能は、2年目で大爆発してと言ってよい。
- 特にアパパネの母系でオークスに勝っちゃうあたりは驚いたね。
- マツクニもやはり自分が手がけた馬である以上、その産駒でタイトルは欲しいはずだ。
- 今のところ、500万条件のブライダルベールしかおらず、
- 客観的に見て明らかに不本意。
- マルカキャンディは徐々に力をつけ、5歳の秋府中牝馬Sで重賞初制覇。
- タイトルはそのひとつだったが、故障もなく37戦走りきった無事是名馬。
- 産駒の中ではライムキャンディ(父タニノギムレット)がOP入りしており、
- デビューした4頭はそれなりに能力を示している。
- 1つ上の全兄は未勝利だが、近いうちに順番は回ってきそう。
- 母父サンデーでマツクニの課す負荷に耐えられれば、
- 重賞のひとつやふたつ獲得できそう。
- マツクニが好きそうなケツのデカさ、骨格の太さを兼ね備えている。
- ここからキンカメ×マツクニの「夢のビッグバンコラボ」がここから始まる。
12.○父レッドデイヴィス/牡/鹿毛/2008.02.22/栗東/音無秀孝
- 最後の1頭は4時間くらい考えていた。
- 候補として、
- フローガ(アグネスタキオン×ササファイヤー:松田国)、
- スカイプレイ(ゼンノロブロイ×トキオタヒーチ:松永幹夫)
- フェアユース(ラーイ×ロリータ:河野)
- グラッツィア(キングカメハメハ×フェアリーバラード:角居)
- ブリリアントクラン(ロックオブジブラルル×スターズインハーアイズ:山内)
- あたりだ。
- 一番気を使ったのが、全体のバランス。
- つまり、関東・関西の割合、牡馬・牝馬の割合、未選択の種牡馬かどうか。
- 西高東低である現状を踏まえれば、これ以上関東馬は取りたくなかったし、
- 牝馬は10頭制だろうと、12頭制だろうと、2頭までと決めておった。
- そうすると牝馬のフローガとブリリアントクラン、関東のフェアユースが消える。
- もっとも、牝馬を3頭にしようかどうか、ギリギリまで迷ったんだけどね。
- スカイプレイは写真で見る限り、非常に見栄えがよかったが、
- ランザローテをはじめ、兄弟が悉くダート馬であるのを嫌った。
- (たぶんデュアルスウォードがダート馬になるだろうからww)
- グラッツィアも魅力的な血統構成をしているが、
- 10位で指名したアーセナルゴールの母フェミリーバイブルと、
- グラッツィアの母フェアリーバラードは1歳違いの全姉妹であり、
- 結局、自分の目が釘付けになるような血統構成は決まっていることがわかったww
- 競走能力はファミリーバイブルのほうが高かった。
- したがって見送り。
- このように消去していって残ったのが本馬。
- だが、消去法で選ぶというのは失礼な血統的な魅力がある。
- 身体の形から、短距離馬の可能性が高いと評価している人もいるけれども、
- (例えばhttp://uma-jin.net/pog/news/news.html?id=2010060801)
- 母系はスタミナの鬼とも言うべき血脈だ。
- 母ディクシージャズは中央未勝利も、
- 兄弟に菊花賞とメルボルンCを勝ったデルタブルースがいる。
- この兄弟のブルードメアサイヤー、ディキシーランドバンドはノーザンダンサーの直仔で、
- 産駒に世界最長のG1競走アスコット金杯に2度勝ったドラムタップスを輩出。
- ブルードメアサイヤーとしても優れており、
- 04年にはアメリカBMSランキング1位獲得。
- スタミナとパワー、アメリカダートで良績を残せるスピードを兼備しており、さながら万能型である。
- 日本においてもその万能型の能力を縦横無尽に発揮し、
- 先述のデルタブルースの他に個性派アメリカンボス、
- 宝塚記念で期待がかかるサンデーサイレンス最後の大物アクシオン、
- CBC賞勝ちのブラックバースピンと1200〜3600mの重賞勝ち馬のBMSとして万能性を示している。
- 本馬はそれらの牝系に、トニービンをBMSにむかえて、
- 一介の短距離馬になるはずがないというのが小生の見解だ。
- すなわち、アグネスタキオン×トニービン×ディキシーランドバンドという「夢のビッグバンコラボ」を形成。
- 常に脚元への不安が囁かれるアグネスタキオン産駒にあって、
- 音無には何とかサンライズプリンスの故障を糧とし、この馬につなげてもらいたい。
- 既にゲート試験をクリアしており、放牧を挟んでデビューになる。