:POGにおける馬選びのポイント、、、のようなもの
“語る資格”と“語れぬ領域”
- 2012-2013年度は11人中5位という「トホホ」な結果に終わったのだが、
- 実のところ非常に収穫の多い1年だった。
- “感覚的”にどういう馬が走る可能性が高くて、
- どういう馬が走る可能性が低いのか、
- わずかではあるがその境界線が見えたような気がしたのだ。
- 以下にその“感覚的”なものを言語化にしてみようと思う。
- これまでの成績では語る資格はなかったが(それでも散々書き連ねてきたけれども--笑)、
- 昨年度ぐらい走ってくれれば少しは語る資格もあると思うww
- これも以前からたびたび言っていることだが、
- 僕は馬の見方について全然わからない。
- 「ツナギがどうの」とか、「トモの張りが」とか。
- わかるのはせいぜいデブかヤセかの区別程度である。
- それも隣に歩いている馬と比較しての相対的判断で、
- もしある馬が1頭で佇んでいたら、
- それが大きな馬なのか、それとも小さな馬か判断つかないだろうと思う。
- 競馬場へ行って、僕が競走馬を観るとどの馬もよく見えてしまう。
- 毛艶もピカピカで、たてがみをキレイに編んでもらって......。
- でも1着からビリまで決してしまうのが勝負の世界。
- 馬の出来不出来はどこかにあるのだろうが、
- トーシローでは判断するのはまず無理だというのが僕の一貫した考えだし、
- プロ中のプロである藤澤和雄すら『競走馬私論―馬はいつ走る気になるか』(クレスト新社、1999年)の中で、
- 「......少なくとも私の馬を見る能力はゼロに等しい」と述べている。
- ここで唐突に、
- 上は96年スプリングSでの大川慶次郎のパドック評。
- 結果はhttp://db.netkeiba.com/race/199606020211/
- これぐらいのレベルにあったら、馬体について語る資格があるんじゃないか??(笑
- 以上のことから、僕は馬のつくりで走る/走らないを判断することはナンセンスだと思っているし、
- ましてや「一目惚れ」なんて極めて危険な見方だとも思っている。
- POGにおける僕の馬選びのポイントは、
- ①価格、②血統、③厩舎、④馬主、⑤生産牧場の5つの要素だけである。
- (来年はまた違ったこと言っているかもしれないけどww)
- 以下にそれぞれの要素について説明する。
①価格と②血統
- これは単純に①価格の高い馬が走る可能性は高いし、
- ②血統の良い馬が走る可能性が高いという至極当たり前の話。
- ただ、血統と価格は一緒でも言いと思われるかもしれないが、
- この2つが一致しない場合は特に注意を要するから分けて考えるほうがベター。
- 例えば、僕が06―07年度に指名した2頭、
- アサクサキングス(菊花賞、ダービー2着)とピンクカメオ(NHKマイルC)は、
- セレクトセールにおいて、それぞれ7,100万円の価格がついた。
- 前者の父はホワイトマズル、後者はフレンチデピュティで且つ、牝馬である。
- 常識的に考えれば、そんな高額になるわけがない。
- でもそうなったことは事実であり、その高値の期待に応えたのも、また厳然たる事実だ。
- よほど馬の出来がよかったんだろうと思う。
- 馬体の善し悪しを判断できない素人でも、
- 落札価格からそれを推測評価することが出来るということを示したケーススタディ。
- 当然、逆のパターンも考えられ、
- 「こんなに血統がいいのの、意外と安いなぁ」と思ったときも、やっぱりそれなりの理由がある。
- 身体が華奢であったり、気性的な問題を抱えていたり......。
- そういった意味で①と②の差異に違和感を覚えた時、
- そこには何かしらの「裏」があると考えてよろしい。
- 話が前後してしまったが、
- 価格が高い競走馬ほど走る確率は高い。
- もちろん、POGにはジョーカーが潜んでいて、
- 超高額馬が1勝どころか、1度も走ることなくフェードアウトしてしまう馬もしばしばいる。
- それでもやはり確率的に言えば、高額馬のほうが成功することは事実である。
- 今ではすっかり凋落してしまったが、
- シーキングザパール(モーリス・ド・ギース賞、NHKマイルC)、
- エアシャカール(皐月賞、菊花賞)などの活躍を踏まえて上梓した森秀行調教師の著書、
- 『最強の競馬論』(講談社、2003年)によると、
- 「ビジネスとして競馬を考えたら、一千万の馬には手を出さないほうが無難だ。(中略)ならば、いくらぐらいの馬を買えば採算がとれるのだろうか。私は、ビジネスとして成立するのは、売買価格五千万円が分岐点だと考えている。経験的にいって、五千万以上の馬ならば、そうそう期待を裏切られることはない」
- と記している。
- ただし、近年のセレクトセールは、とてもじゃないが適正価格で推移しているとは言い難い。
- 島川隆哉、山本英俊、里見治の「新・セレクトセール三羽烏」(揶揄を込めてww)により、
- 20,000万円とか30,000万円とか平気で投入してくる。
- (ちなみに僕の考える「元祖・セレクトセール三羽烏」は近藤利一、関口房朗、臼田浩義)
- 10年ぐらい前のPOG攻略本では、「5000万円以上10,000万未満が狙い」とよく書かれていて、
- 事実、その価格帯から
- ディープインパクト(牡馬3冠、JC他)やキングカメハメハ(ダービー、NHKマイルC)など怪物級の馬を輩出したのだが、
- 昨年度、セレクトセールで重賞に勝ったのは、
- デニムアンドルビー(フローラS)が3,900万円、
- メイケイペガスター(共同通信杯)が3,000万円、
- ヒラボクディープ(青葉賞)が2,500万円、
- インパルスヒーロー(ファルコンS)が1,900万円と、
- 走りごろの価格帯は少し落ちてきている。
- そもそも昨年度はセレクトセール出身馬の成績が低調だったように思う。
- 一昨年度はダービー馬ディープブリランテがこのセール出身だったが、落札価格は3,100万円だった。
- その他、カレンブラックヒル(NHKマイルC)が3,400万円、
- 牝馬クラシック戦線を盛り上げたアイムユアーズは1,650万円。
- 高額馬には自ずと目が行ってしまうが、
- いわゆる走る価格帯は3,000万から5,000万というのが近年の傾向.
- .....ってなんしか価格だけの話になってしまったが、
- ①血統と②価格は何よりも重要な要素。
③厩舎(調教師)
- 次に③厩舎は、
- どんなに①価格が高くても、どんなに②血統が良くても、
- 調教師がヘタクソだったら、走る馬も走らない。
- ときどき「オっ!!」と思う良血馬が、聞いたことのない厩舎に入厩するのだけれども、
- クラシックに出走させてきた試しが、僕の記憶に関する限り、ない。
- よくわからない厩舎にはよくわからない騎手しかおらず、
- よくわからない結果で終わる可能性が大。
- 調教師と騎手の徒弟制度がまだ残っていた頃は、
- それをサポートする熱心な馬主もいたけれども、
- 社台中心のクラブホースだらけになった今日においては、
- より結果“だけ”が求められるようになったのは周知の事実である。
- その趨勢の中で調教師や騎手も極端な格差が生じ、
- 年間0勝のトレーナー&ジョッキーなんてザラだ。
- この点については、何かしらの改善が必要だと思う反面、
- とにかく1着を狙うスポーツなのだから、仕方がないとも思う。
- まあ、これ以上僕が考えてもどうしようもない問題だし、
- 本題からズレるので以降は触れない。
- ビッグタイトルを狙うんだったら、やはり名の通った厩舎の馬を選ぶのが勝利への“定石”。
④馬主
- ④馬主も重要な要素やね。
- 先に挙げた「新・セレクトセール三羽烏」の島川、山本、里見は、
- 依然としてクラシックに勝てていない。
- 毎年、セレクトセールだけで5〜10億円近く投じているにもかかわらずである。
- 貧乏人から言わせてもらうと、これはもはや「日頃の行い」ではなかろうか??と。
- いずれも会社の代表取締役社長(もしくは会長)なのだが、
- 「社員を大切にしているだろうか?」とか、
- 「社員(とその家庭)の生活を担保した上での競走馬への投資なのか?」とか、
- 僕はいつも労働者観点で考えてしまう。
- W.チャーチルの、
- 「ダービー馬のオーナーになることは一国の宰相になることより難しい」という格言の真意を考えるに、
- ダービーの称号は政治力でも財産でもどうにもならない“運”である、
- というのが僕の勝手な解釈だ。
- “運”を掴むには「日頃の行い」がやっぱり重要で、
- それを持っている馬主に乗っかるのがこれまたPOGにおける勝利への近道。
⑤生産牧場
- 競馬全体を俯瞰すれば、確かに非社台の台頭ってが望ましい。
- 一極集中の独占状態はどの分野においてもよろしくない状態であるし、おもしろくない。
- だが、それはまたステージの異なる話であり、
- 殊POGに関しては、社台系の馬を中心にせざるを得ないだろう。